2016-5-2
イーメディカル東京ブース
「MRI検査のより安全な運用環境のサポート」を展示コンセプトに掲げるイーメディカル東京は,大幅なスリム化と新技術が搭載されたポール型磁性体センサ「magfhyⅡ」,電磁波低減LEDライト「mag luminance」,強磁場警報器「MAG WATCHER」「MAG WATCHER PLUS」など,MRI検査の安全性を高めるための製品を中心に展示を行った。また,同社は2002年から遠隔読影(画像診断)ソリューションを提供しているが,今回,コニカミノルタジャパン社が提供するネットワークサービス“infomity”を介して,イーメディカルグループ(名古屋常北放射線科クリニック,イーメディカル東京)が遠隔読影支援サービスを提供することを発表した。(4月16日取材)
●複数の最先端技術により吸着事故防止に貢献するポール型磁性体センサmagfhyⅡ
magfhyⅡは,従来の「magfhy」の4本柱から2本柱の構成となり,大幅なスリム化が図られたほか,ゲートの幅を任意に選択できることでより省スペースでの設置が可能となった。また,金属を検知した際の警告がよりわかりやすくなったことに加え,“ベクトル検知”“環境ノイズ抑制機能”という2つの新機能により,より正確な磁性体の検知が可能となった。
ベクトル検知(特許出願中)は,検出器の並列配置によって磁場変化の大きさと磁性体の移動方向を検知し,MRI室に入るものと出ていくものを区別する技術で,移動方向によって検知感度および警告音と表示ランプの色を変えることでMRI室のスタッフがその違いを区別できるようになっている。センサは磁性体の大きさによって3種類あり,ランプの色は安全を示す青,ハサミなどの小さな磁性体を示す黄色,危険を示す赤とそれぞれ変化し,それに伴って警告音も変化する。また,ポールの内側にある3か所の赤いランプが磁性体の位置を9か所のエリアゾーンで表示し,さらには音声アナウンスによる注意喚起も行われるため,誰にでもわかりやすい表示となっている。環境ノイズ抑制機能は,MRI室の扉や病院の外を走る車など検知不要な環境ノイズを抑制して,ポールの間を通過する磁性体だけを検知する機能で,誤警報の低減に貢献する。
|
|
●電気交換の頻度を大幅に低減し安全性の向上に貢献する電磁波低減LEDライトmag luminance
電磁波低減LEDライトmag luminanceは,MRI室用の電源別置型の照明器具で,ストレート埋込タイプ,ストレート直付タイプ,ブラケットタイプ,ダウンライトタイプ,スポットライトタイプがラインナップされた。電源BOXをMRI室外に設置し,MRI室内に直流電流の電気コードを引くことで,MR画像に影響を与える電磁波ノイズの発生を大幅に低減している。1台の電源ボックスで,ストレートタイプは最大4灯,ダウンライトは最大6灯までまかなうことができる。また,すべてのタイプで無段階での調光・調色が可能で,市販の直流電流用の調光器が使用できるため低コストなほか,電気寿命がきわめて長く,1日平均8時間の使用で約13年間交換不要で電力も従来の約1/4に抑制される。さらに,通常の蛍光灯は磁場の影響により,吸着事故の危険を伴う交換作業を毎年何度か行う必要があるが,mag luminanceであれば次回のMRI装置更新まで交換不要,もしくは途中で1回程度の交換ですむため,安全性の向上にも大きく貢献する。
|
●小さなボディに高精度機能を搭載した強磁場警報器MAG WATCHER,MAG WATCHER PLUS
きわめて小さく軽量でありながら高精度な機能を搭載した強磁場警報器MAG WATCHERは,磁石に近づくと音と光で警告を発する装置で,通常のタイプと磁場強度が数字で表示されるMAG WATCHER PLUSの2種類が展示された。三軸制御によりあらゆる方向からの磁場を正確に検知可能で,設置場所や角度を選ばずに使用可能である。具体的には,MRI室内に持ち込む必要のある生体情報モニターや点滴台など弱磁性体機器に吊したり,MRI持ち込み禁止用品に装着,あるいはMRI室に立ち入ることの少ない看護師などの院内スタッフが身につけることで吸着事故の防止に役立てられるほか,院内のMRI安全教育にも活用されている。また,警告音は磁場強度に応じて変化し,検知する磁場強度を3段階で設定することもできる。
|
●体内金属の検知も可能なハンディ型金属探知機
ハンディ型の金属探知機は感度が3段階に設定可能で,最も高感度なものでは体内金属まで探知することができるなど,きわめて高感度な装置となっている。通常,高齢者や意識障害などにより問診ができない患者の体内金属検索にはX線撮影装置が用いられるが,このハンディ型金属探知機を用いることでそうした手間や,無用な被ばくもなくなるなどメリットは大きい。
|
●コニカミノルタジャパン社との協業による遠隔読影支援サービスの提供を開始
コニカミノルタジャパン社の医療ITサービスinfomityでは,リモートメンテナンスなどさまざまなオンラインサービスが提供されているが,今回,そのメニューのひとつとして,イーメディカルグループが遠隔読影支援サービスを提供することが発表された。依頼元の医療機関がinfomityを介して読影依頼をすると,イーメディカルグループの読影センターの経験豊富な専門医が精度の高い読影を行い,読影結果を返信する。これにより,必要な読影をその都度依頼できるようになるほか,DVDの媒体の郵送などの手間や時間,コストも省け,タイムラグのより少ない状態で診断結果を得ることができる。また,最大の特長として,遠隔読影で対応されることの少ない大腸CTにも対応しており,近年の大腸CT検査のニーズの高まりにも応える内容となっている。
|
|
|
●お問い合わせ先
・MRI検査のより安全な運用環境のサポートに関して
イーメディカル東京
住所:東京都中央区銀座7-15-5
TEL:03-3542-3588
URL:http://www.emedicaltokyo.co.jp/
・コニカミノルタinfomity遠隔読影支援サービスに関して
(株)イー・メディカルソリューションズ
住所:〒462-0819 名古屋市北区平安1-7-23 GVビル3階
TEL:052-911-7055 FAX:052-911-7011
URL:http://www.emsl.co.jp