2019-3-13
オリンパス(株)は,胃や大腸,食道などの内視鏡検査において,AIを活用した病変の検出・診断支援技術の開発を行っている。今回,消化器内視鏡画像に関連するさまざまなCADアプリケーションを医療現場で効率的・ワンストップで活用するための「CADオープンプラットフォーム」を開発した。
昨今,医療の現場で撮影した画像をAIに認識させ,診断や処置の支援を行うための技術開発が広く行われている。
オリンパスは内視鏡事業における長年の開発実績を生かし,AIによる診断・処置支援のための自社技術を開発しているだけでなく,積極的に外部パートナーとの共同開発を進めている。この中で早期の実用化を目指している技術に,医療現場で撮影した画像を使い,AIによる診断支援を行うCAD(Computer Aided Diagnosis)がある。CADには,AIにより病変を検出する「コンピューター検出支援(CADe:Computer Aided Detection)」と,検出した病変から疑われる病名を診断する「コンピューター支援診断(CADx:Computer Aided Diagnosis)」の2つがあり,既に開発発表を行っている大腸内視鏡画像によるCADeだけでなく,現在,胃や食道領域でもこの2つの技術開発を進めている。
こうしたさまざまなCADアプリケーションを医療現場で効率的・ワンストップで活用するため,複数のPCや接続機器を必要とせず,同社の消化器内視鏡システムに接続するだけで,複数のCADアプリケーションを切り替えて使用することのできる「CADオープンプラットフォーム」を開発した。今後,製品化に向け,法規制対応を行いながら,アプリケーションの自社開発だけでなく,オープンプラットフォームとして複数のパートナーとの協業を進めていく。
●「CADオープンプラットフォーム」の特徴
- 同社製消化器内視鏡システムに接続するだけで,観察中にリアルタイムでコンピューター検出・診断支援の結果を画面上に表示
- 精度の高い病変の検出・診断をサポート
- 同社の消化器内視鏡システムトロリー(架台)に載せ,各種装置と連係して使用可能
●問い合わせ先
オリンパス(株)
http://www.olympus.co.jp