ホーム 取材報告 RSNA2011スペシャル 取材レポート RSNA2011: Philips Healthcare - iDose4搭載CT:進化するIngenuityファミリー
RSNA2011 |
RSNA2011 [第1日目:11月27日(日)] |
CTは,RSNA 2010でIngenuity CTを発表したが,今年はさらに「Ingenuity Core」と「Ingenuity Core128」を加えてIngenuityファミリーとして展開することを強調した。これらの製品には,第4世代の逐次近似再構成法として,RSNA 2010で発表された“iDose4”が搭載され,さらに自然な再構成画像を高速で提供することが可能となっている。Ingenuity CTは,国内では千葉西病院に導入されているが,1日50件の検査を行うなど,病院の診療をサポートするパフォーマンスを発揮しているという。
iDose4は,以前のバージョンからさらなる処理スピードの向上が図られているが,特長としては低線量でも従来の再構成法と変わらない画像再構成が行え,過去画像との比較の際にも違和感が少なくなっていることが挙げられる。また,低線量撮影により肺尖部などで見られるストリークアーチファクトがより低減できることも特長だ。すでに,全世界で500施設以上で稼働しており,さまざまな臨床データが蓄積されているという。iDose4は低管電圧撮影との相性が良く,造影剤量の低減が可能になっている。高周波関数,高分解能関数を適用することで,空間分解能を上げて石灰化のブルーミングアーチファクトを低減できるが,増えるノイズをiDose4で除去することで,通常の関数と同程度のレベルで評価が可能になっている。
さらに,CTの新しい再構成法として,“O-MAR(Orthopedic Metal Artifact Reduction)”を紹介した。整形領域の人工骨頭などの金属アーチファクトを低減する再構成法である。人工骨頭などを埋め込んだ場合には,金属のメタルアーチファクトの影響で読影不可能なブラックエリアができるが,O-MARの再構成で金属アーチファクトを補正する。金属のアーチファクトを同定して,反復処理で計算することでエラーを除去する。CT画像の金属アーチファクトの除去は,Dual Energyで対応する方法があるが,O-MARではアルゴリズムで処理することでミドルクラスのCTでも搭載が可能で,ワンクリックで簡単に処理が行えることが特長だという。Ingenuity CTの新しいバージョンに搭載される予定だ。
iDose4を搭載したIngenuity CT |
iDose4ではより自然な画像再構成が可能になる |
肺尖部のストリークアーチファクトが低減されている |
金属アーチファクトを除去するO-MAR |
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