CTコーナーは,被ばく低減とワークフローの改善をテーマに,“Be FAST,Take CARE”をキーワードとして掲げ,第2世代デュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」と,「SOMATOM Definition AS」が展示された。 通常,CT検査を行うにあたっては,スキャンパラメータの設定などさまざまな処理が伴うが,それらをより正確に,より簡単に行うためのアシスト機能として“FAST”を冠した多数の新機能が紹介された。このうち,プランニングのアシスト機能“FAST Planning”では,CTが被検者ごとに撮影領域や臓器を自動で認識し,最適な範囲の撮影を自動で行うことが可能となった。余分な範囲の撮影を削減できることから,被ばく低減(CARE)にもつながるのではないかと期待されている。“FAST Spine”では,脊柱の認識や再構成角度の割り当てが自動化され,全脊椎の撮影が容易に可能となった。さらに,同社のCT装置は唯一,70kVという低線量での撮影が行えるため,小児の撮影などでも,さらなる被ばく低減が可能となる。
また,RSNA2009で同社は,逐次近似法を用いた被ばく低減技術“IRIS”(Iterative Reconstruction Image Space)を発表し注目を集めたが,今回はそれをさらに進化させた新技術“SAFIRE”(Sinogram Affirmed Iterarive Reconstruction)を発表した。IRISはイメージベースでの逐次近似再構成を行っていたが,SAFIREはそれに加えて,raw dataでの逐次近似再構成も可能となった。これにより,アーチファクトとノイズの両方が従来よりも低減され,被ばく低減を犠牲にすることなく,画質が大幅に向上した。同社では,今後もさまざまな技術を投入し,最終的には世界の自然放射線レベルの平均である2.4 mSv以下で,すべてのCT検査を行うことをめざすという。 |