今回のRSNA2010では,数多くのワイヤレスFPDが発表されたが,FUJIFILM Medical Systems(富士フイルムメディカル)からも新製品が登場した。米国名「D-EVO」は,日本では「CALNEO C」という名称で販売される予定。すでに薬事承認を得ており,来年のJRC2011の国際医用画像総合展(ITEM)では,日本国内でもお披露目される見込みだ。同社独自のX線照射面側から光信号を読み取る「ISS方式」の間接変換方式FPDを採用しており,X線変換効率を大幅に上昇させ,高画質を実現している。重さは3.3kgで,400枚の撮影が可能となっている。バッテリは交換が可能で,撮影中にバッテリを消費し切っても,データが失われずに,新たなバッテリを装着すれば継続して撮影が行える。専用のバッテリチャージャーで3台まで充電でき,1回の充電時間は3時間となっている。撮影データは1秒で表示され,10秒間の待機時間で次の撮影が行える。また,FPD側面にAC電源用のコンセントの差し込み口があり,用途に応じた使い方ができる。
このワイヤレスFPDの発表に合わせる形で,CRとDRの兼用コンソールとして使用できる「Console Advance」も新たなバージョンとなった。従来はレンジ圧縮処理をしてデータを取り込んでいたが,新バージョンの5.0では,フルレンジのRawデータをダイナミックレンジ処理することで,細部の情報を描出できる。日本国内では来年(2011年)の第1四半期に販売を開始する予定である。
モバイルタイプのX線撮影装置も新製品が登場した。「FCR Go 2」は「FCR Go」をアップデートしたもの。FCR Goは,日本国内では製造元の日立メディコ社により「Sirius Ubiquitas」として販売されている。この改良版であるFCR Go 2は,横幅が従来より40mm狭く,580mmとなったことで,狭い施設内での移動を容易にしている。操作用のモニタのサイズが15インチとなり,操作性も向上した。出力も32kWと大幅にアップしている。
さらにコンパクト化を図ったFCR Go 2
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