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RSNA2009

■Toshiba Medical Systems(東芝メディカルシステムズ)
待望の3T MRIの発表とAquilion ONEの新バージョンをアナウンス

RSNA2009 [第3日目:12月1日(火)]

東芝メディカルシステムズの展示テーマは,“Productivity for Tomorrow”。オバマ政権下の医療制度改革を踏まえ,高機能,高画質の追求だけでなく,低被ばく対策や病院経営につながる検査効率を上げるためのアプリケーションにも力を入れていくという意味が込められている。

Toshiba Medical Systemsブース
Toshiba Medical Systemsブース

その同社において今回のRSNAの目玉となったのが,待望の3T MRI,Vantage Titan 3Tの発表である(国内薬事未承認)。RSNA 2009開催時点では,FDAの510Kがクリアになっていないが,近日中には発表されるという。日本国内でも来年早々には薬事承認が得られるという見通しである。

同社はここ数年のRSNAで3T MRIのモックアップを展示してきたが,今回は最終デザインの筐体を来場者に披露した。その筐体の特長は,3T装置でありながらコンパクトな設計で,しかもガントリの開口径は71cmとなっていることである。これにより検査の適用が広がり,大きめのコイルを装着するMRマンモグラフィや仰向けが困難な被検者の検査も可能だ。また,同社の独自の静音化機構Pianissimoを搭載しており,広いガントリと相まって被検者の負担や苦痛の少ない検査を実現する。設置面積についても省スペースでの設置が可能になると説明している。Vantage Titan 3Tの画質については,磁場の均整領域を従来の球体状から円柱状にすることで,磁場の最適化を図るComform技術を採用。さらに,RFの不均一を解消するMulti-phase Transmissionを搭載し,高画質化を図っている。これにより同社が得意としてきた非造影検査においても威力を発揮し,3Tの磁場強度を生かしたSNRの高い画像を提供する。また,Time-SLIP法をもとにした脳脊髄液のフローを撮像するCSF Flow Imagingでも高い描出能が期待できるという。なお,コイルは,3T専用のAtlas SPEEDERを用意している。

待望の3T装置Vantage Titan 3T(国内薬事未承認)
待望の3T装置Vantage Titan 3T(国内薬事未承認)

CTは,今回,ADCTのAquilion ONEを2台と,128スライスのAquilion CX Editionを展示した。Aquilion ONEの1台は小児を対象にペイントを施したもので,低被ばくで拘束に検査できる優位性をPRしていた。もう1台は専用のワークステーションによって超急性期の脳卒中医療において,4分半で検査から診断までを終えることができる点を紹介していた。このAquilion ONEは日本国内では約40施設で稼働しているが,近いうちに新バージョンとなるAquilion ONE Volume Evolution(国内薬事未承認)が発売される予定である。その新バージョンでは,逐次近似再構成法の原理を応用したノイズリダクション技術を紹介していた。この技術は,Adaptive Iterative Dose Reductionと呼ばれ,従来の被ばく低減技術である量子フィルタを50%とすると,75〜85%の被ばく低減が図れるという。また,Ultra Helical技術(国内薬事未承認)によって,160列のヘリカルスキャンを行うことで従来の3倍のスピードで撮影できるようになる。新バージョンでは,このほかにもデュアルエナジーイメージングも行えるようになる。これは320列の検出器の特長を生かし,2回の回転で異なる出力を行うというものである。ヘリカルスキャンでのデュアルエナジーイメージングに比べ,ずれのない画像が得られるという利点がある。Aquilion ONEではボーンリムーバルは通常の撮影でも可能なので,血栓の組成の鑑別などでのデュアルエナジーの適用を考えているという。このほか,アプリケーションとしては,ボディパーフュージョン,心筋パーフュージョンを紹介していた。特に心筋パーフュージョンは,日本からは岩手医科大学,慶應義塾大学,三重大学が参加する,Aquilion ONEを用いた国際的多施設合同臨床試験Core 320においても有用性が期待されている。

小児向けにペイントされたAquilion ONE
小児向けにペイントされたAquilion ONE

128スライスのAquilion CX Edition
128スライスのAquilion CX Edition

超音波装置では,最上位機種のAplio XGの機能をコンパクト化したAplio MXとポータブルタイプのViamoを米国向けの新製品として出展した。最新のprecision imaging技術を搭載。組織の構造を見やすく,コントラストを高めることで,腫瘍の存在診断を容易にする。また,乳腺領域においては,MicroPure技術で微小石灰化を高輝度に表示することができる。エラストグラフィも可能だ。グリーンプロダクトと位置付け,Aplio XGより50%の体積減,32%の重量減を実現。リサイクルの素材を使用し,廃棄時の解体も容易である。一方のViamoは,腹部,産婦人科,救急,手術などでも利用を想定している。上位機種の画質を実現しており,重量は8kg。バッテリは2タイプあり,30分と1時間駆動する。手術向けにタブレットタイプを用意するなど,用途に応じて3タイプの製品をラインナップしている。

環境にも優しいAplio MX
環境にも優しいAplio MX

用途によって3タイプあるViamo 手術室向けのタッチパネルタイプのViamo Aplio XG Xario XG
用途によって3タイプあるViamo 手術室向けのタッチパネルタイプのViamo Aplio XG Xario XG

X線撮影装置では,バイプレーンの血管撮影装置のInfinix Celeve-iと一般撮影装置のRADREX-iを展示した。Infinix Celeve-iは,“Image Guided Treatment”をテーマに,先天性心疾患や大動脈ステントグラフト術におけるインターベンションと外科的治療を組み合わせたハイブリッド治療が可能な装置として,長手・横手・上下だけでなく,回転させるなど,動きに自由度を高めた手術対応の寝台をRSNAでは初めて紹介した(寝台は国内薬事未承認)。さらに,バイプレーンの側面のFPDサイズを従来の8インチ(20cm)から12インチ(30cm)へと拡大し,頭部検査にも適用できるようにしている。Infinix Celeve-iは,Super Noise Reduction Filter技術によってノイズと信号を見分け,高画質化を図るPureBrainを採用しており,ガイドワイヤなどの視認性を向上させている。また,RADREX-iは,撮影後3秒で,コンソールだけでなく,X線管にある小型モニタで画像を確認でき,効率の良い検査が可能。国内では約60台,世界では100台以上が出荷されている。

外科手術に対応したInfinix Celeve-i(寝台は国内薬事未承認)
外科手術に対応したInfinix Celeve-i(寝台は国内薬事未承認)

効率の良い検査ができるRADREX-i
効率の良い検査ができるRADREX-i

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