syngo.viaについて,同社では,3DワークステーションでもPACSでもない,“New Imaging Software”と位置づけている。“モダリティとの親和性”,“大量のボリュームデータを十分に生かしきるためのソリューション”,“わかりやすいサービス”の3つが大きな特長であり,既存のインフラを何も変えることなく,syngo.viaを追加するだけで,画像診断ワークフローの全体最適化および部分最適化を図ることが可能になる。
まず,大量のボリュームデータを十分に生かしきるためのソリューションという点だが,画像解析サーバであるsyngo.viaは,RISとのインテグレーションにより,その患者がどの領域のどのような目的の検査を行ったかを判断することができる。そのため,CTやMRIなどのモダリティからシンスライスデータが送信されると,診断に必要な画像解析が高速に行われ,例えば心臓CTであれば,ワンクリックするだけで,血管抽出,MPR,MIP,Curved MPR,Volume rendering(VR)などの診断に必要な画像がすべて自動で表示される。つまり,従来の“3Dを作る”という考え方とは概念をがらっと変え,2Dと同じように“3Dを表示する”時代への進化をめざしたものと言える。一方,画像解析のクオリティはワークステーションに匹敵するものであり,2D,3D,4Dの表示はもちろん,CTフュージョン,MRフュージョン,超音波のマルチフレーム画像に関するフュージョン,CADなどにも対応している。また,画像参照は,RIS端末,汎用PC,iPhoneなど,すべての端末をクライアントにして行うことが可能であり,放射線科だけでなく,診療科の医師の診断ワークフローを大幅に向上することができる。
2つ目は,モダリティとの親和性だが,例えばMRIなどのスキャンプロトコールの設定は,従来はコンソールからしか行うことができなかった。しかし,syngo.viaでは,“Direct Protocol Transfer”機能によって,すべてのクライアント端末からスキャンプロトコールが入力できるようになった。この機能は,特に経験が要求されるMRI検査でメリットが大きく,例えば夜間などにMRI専任の診療放射線技師が不在の際には,離れた場所にいる放射線科医などが,撮像方法をクライアント端末上で指定することができるのはもちろん,その情報をプロトコールの入力ページごとモダリティ側に送れるため,コンソールでのプロトコールの再入力の手間が省け,技師の技量によらない検査が可能となる。
3つ目のわかりやすいサービスだが,ITシステムは通常,導入するとランニングコストは右肩上がりとなり,保守契約をしても将来のコストの上昇が予想しづらいことが課題となっていた。しかしsyngo.viaでは,アップグレードやサーバの保守管理をリモートで行うことでコストを抑制し,5年契約である一定の範囲内での保守契約料の設定が可能となった。
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