11月29日(日),米国イリノイ州シカゴで,第95回北米放線学会(RSNA 2009)が開幕した。今回の大会テーマは,“Quality Counts”。わが国の医療はいま,地域医療の崩壊や医師不足など多くの問題を抱えているが,その1つに医療過誤などによる国民からの医療への信頼の喪失が挙げられる。医療安全を進め,国民が安心できる質の高い医療を提供することはわが国だけでなく世界共通の喫緊の課題と言える。
この医療安全も含めた放射線医療の質にどのように取り組んでいくかが,今回のRSNAのテーマである。初日8時30分から,Arie Crown Theaterでは,恒例のPresident's AddressとOpening Sessionが行われた。Arie Crown Theaterでは,大会長であるGary j. Becker, M.D.が“Quality Counts”をテーマにした講演を行った。Becker大会長は,Qualityの重要性について,“Quality Matters”,“Quality Improvement”,“Quality Radiology of the Feature”の3点を挙げた。医療事故の現状などを報告して,Qualityの重要性を説いたほか,医療情報システムなどITを活用してQualityを上げていくことなどを論じた。
この後行われたOpening Sessionでは,同じく“Quality Counts”について,Robert M. Quencer, M.Dがモデレータとなって行われた。先にJanet M. Corrigan, Ph.D., MBA.は,“National Priorities for Transforming Health Care: Opportunities for Certification Boards”と題してプレゼンテーションを行った。Janet M. Corrigan, Ph.D., MBA.は,Pay for Performance(P4P)を進める医療機関や保険会社などで構成される非営利組織National Quality Forum(NQF)のPresident兼CEO。その立場から,質の向上への取り組みについて論じた上で,NQFの活動参加への協力を求めた。続いて講演したStephen J. Swensen. M.D.の演題は,“Patient-centered Radiology”。Stephen J. Swensen. M.D.は患者の視点から,放射線医学に求められる5つの要望(Five Wishes)として,次の5点を挙げ,順を追って説明した。
1. the information to choose
2. the right exam
3. open communication
4. a fair cost
5. a safe exam |
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Arie Crown Theaterの入り口
Arie Crown Theater会場内
ブルースで盛り上げられた会場 |