最も来場者の注目を集めたMRIコーナーには,1.5T MRI「ECHELON」1台と1.2T 高磁場オープンMRI「OASIS」2台の計3台が展示された。2008年に米国内,2009年に日本国内での販売が開始されたOASISは,超電導型オープンMRIとしては世界最高の静磁場強度を誇る。アプリケーションはECHELONと同じものをすべてカバーしているほか,垂直磁場方式を採用しており,米国ではオープンタイプの装置でありながら1.5T MRIに匹敵する優れた検査性能が高く評価されている。体格の大きな被検者から高齢者,小児まで,フリースタイルでの“磁遊撮像”が可能なため,米国では今後,“Bore-Less High Field MRI”として強力にアピールしていく方針だ。また,ECHELONは,ガントリ長160cmのショートボア,強力な傾斜磁場性能(33mT/m,150T/m/s),高機能撮像シーケンスに対応した基本性能,さまざまなアプリケーションによって,患者さんへのやさしい検査環境の提供と将来の高い拡張性,高画質画像の提供を実現してしており,世界ではすでに70台以上が出荷されている。
さらに,この高磁場MRIに,最新アプリケーションとして,非造影MRA専用シーケンスの“VASC-ASL”,ワンボタンでの解析が可能なクリニカルMRSである“CSI(Chemical Shift Imaging)”,3D TOFシーケンスの画質改良により,末梢血管などの描出能を大幅に改善した高精細頭部MRA“NewFITT”,微小出血描出能に優れた“VASC-EPI”の4つが搭載された。また,ブース内では,共同研究サイトである東京慈恵会医科大学附属柏病院,神戸大学医学部附属病院,岩手医科大学附属病院で現在開発中の新技術なども紹介され,今後の機能向上に強い期待感を抱かせる内容となった。 |