島津製作所,創業150周年記念事業の一環として京都伝統工芸を採用したコンセプトモデル製品を製作
TOF-PET装置や回診用X線撮影装置など4機種を大阪・関西万博で展示
2025-3-28

京都の美意識を伝えるコンセプトモデル
(株)島津製作所は2025年3月31日に創業150周年を迎えるのに伴い,さまざまな記念事業を予定している。その一環として,京友禅や西陣織などの京都の伝統工芸とコラボレーションしたコンセプトモデル製品を製作,2025年3月24日(月)に同社(京都市中京区)ならびにオンラインで記者発表会を行った。記者発表会ではコンセプトモデル製品の実機が紹介されたほか,同社総務部総務グループの長谷川妃沙子氏と総合デザインセンターデザインユニットマネージャーの川合 潤氏が記念事業の概要やコンセプトモデル製作の目的などについて解説した。
1875年に初代の島津源蔵氏が理化学器械の製造を開始して以降,同社は分析計測機器と画像診断装置を柱に国内外で展開してきた。今回の創業150周年記念事業では,「過去から未来へ,共感あふれる社会へ 夢をつなげる」をテーマにさまざまなイベントや事業が行われる。京都伝統工芸とのコラボレーションはその一つで,「Craftech」をコンセプトに回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX8 Version」,頭部・乳房用TOF-PET装置「BresTome」,液体クロマトグラフ「Nexeraシリーズ」,ガスクロマトグラフ「Brevis GC-2050」というフラッグシップモデル4機種の外観に京友禅や西陣織,京漆器,金継ぎなど10種類の技術を採用した展示用モデルを製作した。そのうちBresTomeには女性の健康をテーマにした京友禅染の伝統柄(鞠文様)を施している。また,MobileDaRtは繊細な京和紙を用いて「患者への優しさ」を表現しているほか,側板パネルには四季を表す4種類の京友禅を採用,京都の美意識を伝えている。
川合氏は,今回のコンセプトモデル製作の狙いの一つとして同社売上高のグローバル市場の比率が50%を超える中,京都発の老舗企業という競合他社にはない強みを活用し,グローバルに同社のブランド力を強化するという点を強調した。また,同社は2019年に京都府と「京都地域活性化包括連携協定」を提携しており,今回の取り組みにより京都地場産業への貢献を図るほか,京都伝統工芸が持つサステナビリティを取り入れ,サステナブルな素材による低炭素社会への貢献も目的とする。
なお,今回製作したコンセプトモデルは大阪・関西万博の関西パビリオン京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO」で6月16〜22日に展示されるほか,世界18か国50か所以上で展示を行う(販売は未定)。また,そのほかの創業150周年記念事業として,特設Webサイトや同社初のアニメーション動画の制作,島津グループの全従業員をつなぐメタバース空間「SHIMADZU METAVERSE」の構築,国内外のパートナーや共同研究先などを招いた式典やイベントなどを予定している。

回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX8 Version」の側板パネルに京友禅を使用

頭部・乳房用TOF-PET装置「BresTome」には女性の健康をイメージした
京友禅のクッションカバーを採用している
●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.med.shimadzu.co.jp/
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