がん対策推進企業アクションが令和2年度統括セミナーを開催
がん対策推進パートナー賞,厚生労働大臣賞を表彰し令和2年度の活動を報告
2021-3-5
厚生労働大臣賞を受賞した
日立システムズへの表彰状授与の様子
がん対策推進企業アクションは,2021年3月3日(水),令和2年度の統括セミナーをオンラインで開催した。厚生労働省の委託事業として2009年に開始された同アクションは,ともにがん対策に取り組む企業・団体をパートナーとして募集し,その中からがん対策に特に積極的に取り組む企業・団体を毎年選定,表彰している。統括セミナーでは,令和2年度の受賞企業・団体の表彰式が行われたほか,各社の事例発表や講演が行われた。
令和2年度の「厚生労働大臣賞」は,労働組合との共催でがん治療と仕事の両立に関する講演会を開催するなど,社員と家族の健康サポートに取り組む(株)日立システムズが受賞した。また,がん対策推進パートナー賞のうち,「検診部門」は三井住友海上あいおい生命保険(株),「治療と仕事の両立部門」は伊藤忠エネクス(株)と(株)サンゲツの2社,「情報提供部門」は(株)アートネイチャー,「中小企業部門」は城北ヤクルト販売(株)がそれぞれ受賞した。表彰式後に行われた事例発表では,各企業が自社の取り組みを紹介した。厚生労働大臣賞を受賞した日立システムズは,がん対策と治療と仕事の両立支援として,家族も含めた社員のがん検診補助や健康相談窓口の設置,がん治療などを対象とした短時間勤務や在宅勤務を可能にする「治療勤務制度取扱規約」を制定したことなどを発表した。また,中小企業部門で受賞した城北ヤクルト販売は,健康に関わる企業として,地元である東京都足立区や荒川区でのがん死亡率低減をめざし,同アクション作成の「がん検診のすすめ」の配布や小中学校への出前授業を行うなど,地域に密着した活動に取り組んでいることを紹介した。
統括セミナーでは,講演も2演題行われ,同アクションのアドバイザリーボード議長を務める東京大学医学部附属病院放射線治療部門長の中川恵一氏が,「企業アクションの画期的4つの取り組み」と題して講演した。中川氏は,令和2年度の同アクションの取り組みとして,(1)がん対策カスタマイズドレポート,(2)e-learningシステムの提供,(3)YouTube「大人のがん教育」,(4)中小企業調査「大同生命サーベイ」の4点を紹介。このうち,がん対策カスタマイズドレポートは,同アクションのパートナー企業に対しがん対策の「次の一手」をアドバイスするもので,がん検診の受診率向上策と就労支援の2点について,アンケートの回答を基に個別にカスタマイズしたレポートを作成,提供する。また,YouTube「大人のがん教育」は,中川氏の解説や,乳がん経験者で同アクションアドバイザリーボードメンバーの生稲晃子氏との対談形式で構成され,2020年10月の配信開始以降,すでに13回配信されていることなどが報告された。
また,厚生労働省健康局がん・疾病対策課課長の古元重和氏が「我が国におけるがん対策について」と題して講演し,がん治療と仕事の両立支援における同アクションの取り組みへのさらなる期待を表明した。
●問い合わせ先
がん対策推進企業アクション事務局
TEL 03-6441-6574
http://www.gankenshin50.mhlw.go.jp/
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