フィリップス・ジャパン,2021事業戦略発表会でdata drivenによる価値創造の推進を表明
2021-1-25
2021年事業戦略を発表する堤 浩幸代表取締役社長
(株)フィリップス・ジャパンは2021年1月20日(水),「2021事業戦略/新製品発表会」を開催した。第1部の事業戦略発表会では代表取締役社長の堤 浩幸氏がプレゼンテーションを行い,ニューノーマル時代のヘルスケアに対して,シームレス・インターオペラビリティを実現する基盤の構築と,data drivenのオペレーションとサービス提供を推進していくことをアピールした。
事業戦略発表会の冒頭,挨拶を述べた堤社長は,フィリップスがこれまでグローバルのMission/Visionとして掲げてきた“有意義なイノベーションを通して2030年までに25億人の人々をより健やかにする”を,このたびPurpose(存在意義・目的)へと転換したことを報告。これは,ヘルスケアへのアクセスや循環経済・社会の実現,気候変動などの地球規模での変化を踏まえ,すぐに具体的な行動に移さなければならないという危機感の表れであるとし,ESG(環境・社会・企業統治)の観点での経営と,SDGsへの総合的な取り組みで,長期的な成長をめざす姿勢を示した。そして堤社長は,2020年の実績を振り返り,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応やパートナーとのエコシステムの拡大・深耕,また,シームレス・インターオペラビリティを実現する基盤となるトータル・ホスピタル・マネジメント・ソリューション「Tasy」の展開と,それを基盤とした事業ドメインの拡大などを報告した。
堤社長は,医療がボリュームから質へと変化し,さらにCOVID-19によりヘルスケアに変革が求められるニューノーマルの時代においては,デジタルを活用してデータをグローバルかつリアルタイムに連携できる基盤を構築し,価値創造をしていくことが重要だと強調した。また,基盤に集約されたデータを連携するだけでなく,解析して一人ひとりにマッチした医療をタイムリーに提供することも欠かせないと述べ,2021年はdata drivenのオペレーションとサービス提供に注力していくと語った。
そこでフィリップスは今年,(1)ヘルスケアの仮想化,(2)ヘルスケアのデジタル化,(3)価値ベースのヘルスケア,(4)ヘルスケアのXaaSモデル化,(5)エコシステム統合という5つの戦略的要素の実現に向けて,ヘルスケアインフォマティクス事業基盤の構築と,7領域(がん・腫瘍,循環器,放射線,病理,救急医療,睡眠・呼吸,慢性疾患)を対象としたソリューション事業の強化・連携を加速していく。基盤構築においては,Tasyを遠隔医療やデータ解析拠点となるヘルスケア・コマンドセンターと連携させ,人工知能(AI)も活用して価値ベースのサービス提供に取り組む。
また,多様なパートナーとのエコシステムの拡大・深耕も継続していく。発表会では,3月下旬からメディカルシティ構想・パートナーシップを開始予定の岐阜県美濃加茂市の伊藤誠一市長,社会医療法人厚生会の山田實紘理事長がオンラインで登壇し,パートナーシップへの展望や期待を語った。さらに,スポーツヘルス事業においては,2021年1月に公益財団法人日本サッカー協会(JFA)とヘルステックパートナーシップ協定を締結したことを踏まえ,JFA会長の田嶋幸三氏をゲストに迎え,堤社長とのトークセッションを行った。
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第2部の新製品発表会では,「スリープ&レスピラトリーケア」「コネクテッドケア」「パーソナルヘルスケア」の3領域の新製品を発表した。このうち,コネクテッドケアの新製品として発表された家庭向けAED「ハートスタートHS1 Home」は,2021年夏の導入開始を予定している。ハートスタートHS1 Homeは,心肺停止が発生する場所として最も多い(66%)住宅内にAEDを設置することで,心肺停止からの救命率向上をめざす。設置しやすいコンパクトサイズで,絵による操作説明や音声ガイド,本体アイコンの点滅などで使いやすさを追究し,ペースメーカーや小児にも対応が可能。製品プレゼンテーションを行ったコネクテッドケア事業部事業部長の田口 賢氏は,「コロナ禍により在宅時間が増加している中,消火器のように一家に一台の普及をめざし,自宅での心肺停止からの救命率向上に貢献したい」と述べた。
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