日本医療機器産業連合会(医機連)が任期満了に伴う役員改選で松本謙一氏(日医工,サクラグローバルホールディング)を新会長に選出
2019-6-12
今回選出された会長・副会長らの記者会見の様子
一般社団法人日本医療機器産業連合会(医機連)は,2019年6月11日(火),KKRホテル東京(東京都千代田区)で任期満了に伴う2019年度役員改選を行い,松本謙一氏(日医工,サクラグローバルホールディング)を新たな会長に選出した。前会長の渡部眞也氏(日立製作所)は副会長となり,「医機連みらい戦略会議」の議長職も継続する。そのほかに,筆頭副会長に新延晶雄氏(JIRA,富士フイルムメディカル)が選出されたのを始め,森 清一氏(医器販協,エムシー),福田修一氏(JEITA,フクダ電子),三村孝仁氏(MTJAPAN,テルモ)の各氏が副会長に選出された(新延氏,森氏は再任)。改選後に行われた記者会見では,新会長以下5名の副会長が任期中の意気込みなどを述べた。
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新会長に選出された松本氏は,1995年に日本医療機器関係団体協議会(現医機連)の会長に就任,その後も副会長などを務め,同会の運営に携わってきた。会見で松本氏は,今回の選出にあたって自然体で会長職に臨んでいきたいと述べた。また,人生100年時代といわれる昨今において,肉体的な健康だけではなく,精神面での健康も同様に重要であると指摘。医療の発展に当たっては,ハードウエア,ソフトウエアのみならず,精神的な面も考慮し,総合的に取り組んでいく時代が来たのではないかとし,バランス感覚を重視していきたいとの考えを示した。
記者会見に続いて,2019年度医機連講演会が行われた。まず,独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)理事長の藤原康弘氏が,「新時代のPMDAについて〈4F(First)の実現に向けて〉」と題して講演した。2019年4月にPMDA理事長に就任したばかりの藤原氏は,「Patient First」「Access First」「Safety First」「Asia First」の「4F」を基本方針として掲げ,5年間の第4期中期計画を遂行する中で,医薬品・医療機器の審査によるリスクの抑制,発生した被害の救済,継続リスクの最小化というセイフティ・トライアングルの遂行により,国民の健康・安心に積極的に貢献していきたいとした。さらに,医療機器の承認審査にあたっては,リスクとベネフィットとの比較考量(trade-off)に加え,時間軸を考慮する必要があること,また審査対象品目に関する情報を臨床現場に正確に伝える透明性がPMDAの重要な使命であるとした。そして,臨床現場感を持ち,医療現場の動きを意識しながら業務を行っていきたいと述べた。
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続いて登壇した経済産業省医療・福祉機器産業室室長の富原早夏氏は,「経済産業省における医療機器・ヘルスケア産業施策について〜2040年を見すえて〜」と題して講演を行った。富原氏は,団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年に向けて,労働力不足や医療・介護費増加に伴う財政への影響が懸念される半面,近年では,高齢者の若返りが見られるなど,高齢者像が大きく変化しつつあることに加え,ロボットや通信,AIなどの技術基盤の大きな進化が考えられるとした。その上で,2040年の健康・医療・介護の理想的な姿として,互いに助け合うネットワーク型のケアを提示し,さらに新たな技術やサービスを生み出すエコシステムを構築するという視点が重要であると述べた。また,医療機器開発を取り巻く環境も変化しており,予防・生活管理サービスを含めたヘルスケアソリューションを提供するビジネスモデルへの転換が重要であるとした。
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●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp