日本医療機器産業連合会(医機連)が平成28年年頭記者会見を開催
2016-1-12
会場風景
一般社団法人日本医療機器産業連合会(以下,医機連)は2016年1月6日(水),KKRホテル東京(東京都千代田区)にて平成28年年頭記者会見を開催した。会見には,会長の中尾浩治氏をはじめ,専務理事の菊地康昭氏,産業政策会議議長の三澤 裕氏,広報委員会委員長の久芳 明氏が出席し,中尾氏より年頭所感が語られた。
中尾氏は,まずはじめに2014年に施行された医薬品医療機器等法(医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律)によりPMDAの体制が大きく変わり,日本におけるデバイス・ラグ,デバイス・ギャップが解消に向けて大きく前進していることを述べた。2015年9月に京都で開催された国際医療機器規制当局フォーラム(International Medical Device Regulators Forum:IMDRF)では,FDAや欧州の規制担当者,メーカーが日本での医療機器の申請から承認までにかかる時間が大幅に短縮されていることが取り上げられるなど,日本の医療機器登録申請の状況が海外から非常に大きな評価を得ていることが実感できるとした。
一方,中尾氏は医療機器産業業界の大きな課題として,行政の中で消費税増税に伴う議論に合わせ,診療報酬を隔年ではなく毎年改定に変更するという議論が起こっていることを挙げた。これについて,約30万品目である特定保健医療材料の実勢価格調査を毎年行うことが困難であること,品目によっては診療報酬改定後の価格が統計的に妥当性を持つ前に改定が起こるため調査精度が疑わしくなること,販売業者,行政にとってこの実勢価格調査が大きな負担になることなど,診療報酬の毎年改定に対しては,医機連として反対する意見陳述を行っていると報告した。
また,そのほかにも外国価格参照制度の廃止や消費税増税時の価格改定など,医療保険制度の改革に対して,積極的に医療機器産業業界としての意見を取り組むよう働きかけていくとした。
中尾氏は,医療機器イノベーション人材の育成として2015年10月よりはじまった「ジャパンバイオデザインプログラム」や,世界的に取り扱いが始まっている医療機器の機器固有識別子(UDI)利活用の推進についても触れた後,最後に,現在の社会保障制度改革の議論や施策立案の多くが短期的な財政論に終始しているため,「健康寿命の延伸」などの「医療の質の向上」にもっと焦点を当て,中長期的な観点から「医療費の抑制」とバランスをとりながら,医療機器産業業界の成長に結び付けられるようにしていきたいとして年頭所感を締めくくった。
|
|
●問い合わせ先
日本医療機器産業連合会
TEL 03-5225-6234
http://www.jfmda.gr.jp