2014年 JAHIS講演会&賀詞交換会
橋本大二郎前高知県知事がアベノミクスと医療の将来について講演
2014-1-14
新年特別講演会の様子
保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は,2014年1月10日(金),第19回JAHIS講演会&賀詞交換会を開催した。今年は例年のコクヨホールを離れて東京・千代田区のイイノホール&カンファレンスセンターでの開催となった。冒頭に開会の挨拶に立った浅野正治総務会長(日本IBM)は,新規会員が15社増え会員数が357社になったことを紹介し,2014年は幅広い活動を展開することで,ITだけでなく領域や業種を広げ会員数を増やしていきたいと述べた。
講演会に先立ち,青木順運営会議議長(NEC)が「年頭にあたっての抱負」を述べた。1994年に設立されたJAHISは今年20周年を迎える。2014年の主な取り組みとして,“厚生労働省受託事業(地域医療連携に関する標準規格等の策定)の完遂”,“4月の診療報酬改定への対応”,“改正薬事法関連への対応(ソフトウエア単体認証が可能になることへの自主基準の作成など)”,“JAHIS中期計画の見直し”などを挙げた。また,会員各社のデータを集計した売上高が報告され,2012年度では4938億円と前年を下回ったが,2013年上期の速報値では前年を上回る数値が出ており,2012年末に発足した安倍政権によるいわゆる“アベノミクス”効果が現れていることを紹介した。
特別講演会は,前高知県知事の橋本大二郎氏による「アベノミクスと医療の将来」が行われた。橋本氏は,アベノミクスがこれからの医療に与える影響について,現状の分析を“健康と長寿のパラドクス”として説明し,続いてアベノミクスのめざすところと社会に与える影響を“アベノミクスで何が変わるか”と題して解説。さらに,最終的に国民一人ひとりがどんな最期を望むかを決めることが重要だとして“長生きがしたいですか?”と問いかけて講演を締めくくった。橋本氏は,4期16年の知事の経験から情報システムに関して,距離の壁をなくし大量のデータを扱えるメリットはあるが,コスト削減にはつながらないことが多いとして,それをクリアするためには業界(工業会)として標準化に取り組むことが重要であり,それも国内ではなく世界標準となることがビジネスモデルにつながるとメッセージを送った。
|
|
|
第2部の賀詞交換会では,JAHISの遠藤信博会長が挨拶し,改めて改正薬事法におけるソフトウエア単独認証化に向けて,非規制対象の自主基準(開発ガイドライン)策定についてJIRAやJEITAをはじめ関係機関への協力を呼びかけた。そのほか来賓として,経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課課長の森田弘一氏,厚生労働省情報政策担当参事官の鯨井佳則氏,内閣官房情報通信技術総合戦略室内閣参事官の市川類氏が挨拶し,一般社団法人日本医療情報学会の岡田美保子理事長による乾杯の発声で賀詞交換会がスタートした。
|
|
|
|
●問い合わせ先
一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会
総務部
TEL 03-3506-8010
http://www.jahis.jp/