RSNA2019 シーメンス - 核医学
“Whole Body Dynamic”モードを追加し診断能を向上した「Biograph Vision」をアピール
2019-12-3
“Whole Body Dynamic”モードを追加した
「Biograph Vision」
RSNA 2019 核医学
Siemens Healthineers(シーメンス)は今回のRSNA 2019で,核医学装置として,半導体検出器搭載PET/CT「Biograph Vision」と,2017年6月に発表されたSPECT/CT「Symbia Intevo Bold」を展示した。
日本では2018年11月に上市したBiograph Visionは,シーメンス初の半導体検出器搭載装置となる。半導体検出器搭載PET/CTとしては,ほかのメーカーよりも後発となるが,その分,性能面では他社の追随を許さない仕上がりになっている。検出器の素材には,シリコン光電子増倍素子(SiPM)を採用。さらに,電子回路の設計を見直したことで時間分解能が大幅に向上。業界トップクラスの214psというTOF時間分解能を実現したほか,TOFゲインは従来装置の6.2倍となっている。また,高画質化の重要な技術となるクリスタルのサイズは,従来製品よりも小型化。業界最小クラスの3.2mm×3.2mmにして空間分解能を向上した。加えて,寝台には独自技術の“FlowMotion”を採用しており,リニアモーター駆動によって振動を抑えつつ,高スループットの検査を可能にする。ガントリは開口径が78cm,長さが132cmと“広くて短い”設計となっており,被検者の精神的な負担の軽減にもつながる。
このBiograph Visionに新しい撮像モードとして,“Whole Body Dynamic”が追加された。このモードでは,寝台を連続駆動させて複数回往復しながら撮像し,被検者の体動があった場合でもそれを間引いた画像を再構成でき,再検査を避けられる。さらに,腫瘍は移動せず,生理的集積は動きがあるという特性を生かし,連続収集したデータを動画像のように再生することで生理的集積を可視化。腫瘍と生理的集積の鑑別が容易になり,診断能が向上する。実際の検査では,およそ3分30秒で1回の撮像を行い,それを4,5回繰り返すことで,15〜20分程度で終えることが可能だ。
このWhole Body Dynamicは,Biograph Visionのほか,シーメンスのPET/CT「Biograph mCT」と「Biograph Horizon」にも対応している。