RSNA2019 日立製作所 - MRI 
MRIのボア内に直接映像を投影し,検査中のストレスを軽減する「Smart Theater」を世界初展示

2019-12-3

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MRI


世界初展示の「Smart Theater」

世界初展示の「Smart Theater」

RSNA 2019 MRI

Hitachi Healthcare(日立製作所)のMRIエリアでは,ITEM 2019 で披露され,RSNA初展示となった3T超電導MRI「TRILLIUM OVAL Cattleya」と1.5T超電導MRI「ECHELON Smart Plus」に加え,1.5T超電導MRI「ECHELON OVAL」と,米国市場の主力製品である1.2TオープンMRI「OASIS」の4台を展示した。
今回の展示の目玉としてアピールしたのが,高輝度プロジェクタとプロジェクションマッピング技術を用いた新製品のMRI用ボア内映像システム「Smart Theater」である。検査時間が長く閉塞感があるMRI検査では,検査中に映像を見てもらうことで患者のストレス軽減を図るソリューションが複数製品化されているが,ヘッドコイルに付属したミラーで見るタイプが多い。それに対してSmart Theaterは,ボア内に映像を直接投影する方法を採用した。ボア内の広い範囲に投影可能なため,寝台がガントリ内に進入する瞬間から映像を見られることで,より閉塞感を軽減でき,小児や高齢者,閉所が苦手な患者をはじめ,すべての患者に快適な検査環境を提供する。また,ヘッドコイルを使用しない体幹部などの検査においても,頭部がガントリ内に入っている検査では映像を見られることもメリットだ。さらに,コイルミラータイプと比べてリーズナブルに導入できる点もアピールポイントとなる。
一見,ボア内に映像を投影するだけにも見えるが,プロジェクタは検査室内に設置できないため,操作室または機械室にプロジェクタを設置し,複数回のミラー反射を経てボア内面に映像を到達させており,歪みのない良好な映像を投影するためのノウハウが必要だ。施設ごとに異なる検査室や操作室の配置・構造に合わせて調整し,映像を良好に表示する。映像コンテンツは,空,海,森林などリラックスできる環境映像を用意しているが,小児向けの映像など要望に合わせてカスタマイズも可能。設置に大きな工事は必要ないため,既設のMRI検査室への追加導入にも対応する。
日本国内では販売を開始しており,現在2施設で稼働している。導入施設からのフィードバックを得ながら映像のブラッシュアップを図っており,患者からの評判は上々だという。Smart Theater は現在のところ,ECHELON Smartに対応する。将来的には,他装置への適用やコンテンツの拡充を図っていく予定。

検査全体のスループット向上をめざして開発されたECHELON Smart Plusは,「ECHELON Smart」に,ワークフロー向上のコンセプト“SynergyDrive”や高速撮像技術“IP-RAPID”によるスピードが“プラス”された。SynergyDriveは,従来と比較して画質を維持したまま,検査室の入室から退室までの時間を短縮でき,検査スループットの向上に貢献する。IP-RAPIDは,アンダーサンプリングと繰り返し再構成の最適化・融合により撮像時間が約50%短縮。撮像時間を維持して空間分解能向上に活用することもできる。また,自動位置決めの“AutoPose”や,撮像条件設定・位置決め・画像処理・画像表示・画像保存・画像転送を1ステップで実施できる“AutoExam”がワークフロー向上に貢献する。

RSNA初展示となった1.5T超電導MRI「ECHELON Smart Plus」

RSNA初展示となった1.5T超電導MRI「ECHELON Smart Plus」

 

さまざまなコンテンツが用意されたSmart Theater。桜の映像は,桜並木を見上げているよう。

さまざまなコンテンツが用意されたSmart Theater。桜の映像は,桜並木を見上げているよう。

 

ワークフローの向上で入室から退室までの時間を短縮する”SynergyDrive”

ワークフローの向上で入室から退室までの時間を短縮する”SynergyDrive”

 

1ステップで撮像条件設定から画像転送まで可能な”AutoExam “

1ステップで撮像条件設定から画像転送まで可能な”AutoExam “

 

一方,TRILLIUM OVAL Cattleyaは,横幅74cmオーバルボアや,ワークフローを向上させるWorkflow Integrated Technology (WIT)による快適性と,高精度な照射技術や多数の高機能アプリケーションによる質の高い検査を両立させる最上位機種である。会場では,磁化率を定量化する“QSM”などの最新の臨床アプリケーションと併せて展示された。

高機能アプリケーションが搭載された3T超電導MRI「TRILLIUM OVAL Cattleya」

高機能アプリケーションが搭載された3T超電導MRI「TRILLIUM OVAL Cattleya」

 

1.5T超電導MRI「ECHELON OVAL」

1.5T超電導MRI「ECHELON OVAL」

 

米国市場で人気の1.2TオープンMRI「OASIS」

米国市場で人気の1.2TオープンMRI「OASIS」

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