RSNA2018 シーメンス - MRI
安定して高画質画像を得られる“BioMatrix Technology”と高速撮像ソフトウエアパッケージ“Turbo Suite”搭載の3機種を発表
2018-11-28
最新3T MRI「MAGNETOM Lumina」
(FDA未承認,日本国内薬機法未承認)
RSNA 2018 MRI
Siemens Healthineers(シーメンス)ブースのMRIコーナーは,大いに盛り上がりを見せた。それもそのはず,今回のRSNAに新製品が3機種展示とあっては,一目見ようという来場者が押し寄せるのも無理はない。新製品は,ハイエンドクラスの3T MRI「MAGNETOM Lumina」,同じくハイエンドの1.5T MRI「MAGNETOM Altea」(共にFDA未承認,日本国内薬機法未承認),そしてECR2018で発表され,RSNA初お目見えのプレミアムクラス1.5T MRIの「MAGNETOM Sola」(日本国内薬機法未承認)の3機種で,それぞれ「月」「星」「太陽」にちなんで名付けられた。いずれも年齢や体型など被検者の特性によらず,安定して高画質画像を得られる技術コンセプト“BioMatrix Technology”を搭載している。BioMatrix Technologyは,2017年に発表された3T MRI「MAGNETOM Vida」に初めて搭載された技術。寝台に配置されたセンサによって,呼吸の情報がガントリ前面に配置されたタッチパネルディスプレイに表示される“BioMatrix Sensors”,安定した脂肪抑制効果が得られる頭頸部コイル内蔵のシミング用コイル“BioMatrix Coilshim”,タッチパネルディスプレイによる容易かつスピーディな創成を実現した“BioMatrix Select&Go”といった先進的な技術がある。
3機種すべて70cmという広い開口径を確保しており,被検者に負担を軽減する。被検者に優しい検査のための技術としては,MAGNETOM LuminaとMAGNETOM Alteaのオプションとして,“Innovision”というガントリ内で映像と音声を視聴できるユニットを展開する。一方,MAGNETOM Solaはガントリ内に60fpsのフレームレートを持つカメラを内蔵した。このカメラが,被検者に取り付けられたセンサを読み取り,頭部撮像において体動を補正する。また,MAGNETOM Solaは心臓MRIに適した装置として位置づけられており,アプリケーションをパッケージ化した「MAGNETOM Sola Cardiovascular Edition」もラインアップされる。
さらに,3機種の発表に合わせて,ソフトウエアも新しくなった。高速撮像ソフトウエアパッケージ“Turbo Suite”は,多断面同時励起を行う“SMS”と高速スピンエコー法の併用が可能となり,ルーチン検査で最も多く施行される2D撮像の高速化の幅が広がった。さらに,TOF MRAや3D SPACEにcompressed sensing(CS)を適用することで,従来撮像時間のかかる3D撮像の撮像時間を大幅に短縮する。パラレルイメージング,SMS,CSを効果的に組み合わせることにより,頭部領域の検査では25%,腹部領域の検査では50%の時間短縮が実現できるという。さらに,Turbo Suiteを含めたソフトウエアは,従来の“VE11”から“XA”という新しいプラットホームへとバージョンアップした。