RSNA2018 日立製作所 - US
検査効率を追究したコンパクトな「ARIETTA 65」をグローバル初展示
2018-11-26
領域に特化したシステムも展示されたUSエリア
RSNA 2018 US
Hitachi Healthcare(日立製作所)のUSエリアでは,ARIETTAシリーズと領域に特化したUSシステム,多彩なプローブで展示を構成した。
主力ラインアップのARIETTAシリーズは,メインとして「ARIETTA 850」と「ARIETTA 65」の2機種が展示された。11月から販売を開始した新製品のARIETTA 65は,最上位機種のARIETTA 850の技術やアプリケーションを継承しつつ,機能を絞って小型軽量化とコストダウンを図り,効率的な検査をめざした普及機である。グローバルでは今回が初展示となった。ARIETTA 65は,長時間,また多くの検査を実施する場合にも,検査者の負担を軽減できるようにエルゴノミクスデザインを採用。21.5インチLCDモニタを支持するアームは,上下動だけでなく360°回転するため,無理のない体勢で画像を確認しながら検査を行える。また,パネルレイアウトも工夫されており,トラックボール周囲に使用頻度の高いボタンを配置することで,手のひらをパネルに置いたまま各種操作を行うことができる。深さごとに画像の明るさを調整するTGC(STC)のスライダーバーをバーチャル化することで,パネルをよりシンプルにしている。
普及機として,さまざまなシーンで活用するため,装置本体はARIETTA 850よりも小型化,軽量化(約85kg)したことで取り回しやすさが向上している。また,移動時にはモニタを畳むことで前方視野を確保しやすい。
さらに,“Protocol Assistant機能”にも対応する(オプション)。施設で決められている撮像手順や条件(深度やフォーカス位置,ボディマークなど)をあらかじめ設定しておくことで,検査時の手間を軽減するとともに,撮り忘れを防止する。従来は毎回入力する必要があったViewの種類もコメントとして登録でき,プローブ走査とキャプチャを繰り返すだけのシンプルなワークフローで効率的に検査を行える。健診施設など数多くの検査を実施する施設での負担軽減や,検査の質の標準化に貢献する。
ARIETTA 850は,画質,ワークフロー,高機能アプリケーションをコンセプトとした最上位機種である。肝臓エラストグラフィにおいてはStrain法である“RTE(Real-time Tissue Elastography)”と,Shear wave 法である“SWM(Shear Wave Measurement)”の両方に対応している。またRTEとSWMを同時に測定できるCombi-Elastoも搭載可能で,定量指標である線維化(F値),炎症(A値),脂肪化を評価する減衰率(ATT)の情報を提供することで,脂肪肝から肝硬変へと進行する肝臓の状態を,非侵襲的かつ包括的に評価することができる。
超広帯域(2~22MHz)に対応する半導体プローブ「4G CMUT(CMUT リニア SML44 プローブ)」は1本のプローブでさまざまな領域に対応するone-probe solutionを目指している。本プローブは継続的に改良が図られており,従来の表層(乳房など)の画質改善に続き,今回は深部,特に血管領域の画質改善をアピールした。また,4G CMUTは,“超”モノづくり部品大賞(モノづくり日本会議主催)で2018年の大賞を受賞し,日立グループで初の同賞受賞を果たしたことが紹介された。