RSNA2018 GEヘルスケア - MRI
“AIR Technology Everywhere”と“Intelligent MR”をキーワードに,ハードウエアとAIの革新的技術を披露
2018-11-26
“AIR Technology”の新作「Multipurpose Coil」
(日本国内薬機法未承認)
RSNA 2018 MRI
GEヘルスケアのMRIのコーナーは毎年Technical Exhibit来場者から多くの注目を集める。今回も革新的な技術を披露して,多くの人で賑わっていた。その革新的な技術は,“AIR Technology Everywhere”と“Intelligent MR”という2つのキーワードで表される。
“AIR Technology Everywhere”は,言葉のとおり,“AIR Technology”の活躍場面が広がることを意味する。前回のRSNA2017や2018年4月の2018国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2018)でも,来場者をアッと驚かせたAIR Technologyが,さらに進化した。AIR Technologyは,1チャンネルあたりのコイルが45gという超軽量を実現。細いワイヤと組み合わせてブランケットのようにやわらかい腹部用コイルなど,従来のコイルの概念を大きく変えた。これまでは48チャンネルの頭部コイル,腹部コイルのラインアップであったが,今回のRSNA2018では新たに,関節や小児などの検査に対応する「Multipurpose Coil」(日本国内薬機法未承認)が加わった。これにより検査の適用が広がった。さらに,ブース内では,技術展示として着用するジャケットタイプや,カバーをせずに術中MRIに使用するタイプ(共にW.I.P.)を展示した。加えて,従来,プレミアム3T MRI「SIGNA Architect」のみの対応であったが,今後3T MRIのベーシックモデルである「SIGNA Pioneer」や1.5T MRI「SIGNA Artist」も使用可能になることをアナウンスした。これにより,さらに多くの被検者がAIR Technologyの恩恵を受けることになる。
また,もう1つのキーワードであるIntelligent MRは,GEヘルスケアのAIのプラットホームである“Edison”を核とした技術である。MRIの撮像の大きな要素である「プラン」「スキャン」「ダイアグノシス」に革新をもたらすという。例えば,プランにおいては被検者のポジショニングを自動化し,スキャンではcompressed sensingなどの高速撮像を行い,ダイアグノシスでは画像を高精度にする。ブース内では,現在開発中のEdisonの技術を紹介していたが,この中の1つ“AIRx”は,“Edison Apps”と呼ばれるアプリケーションで,頭部MRIの撮像自動化技術である。検査者は,部位を選択するだけで,後は装置が自動的に位置決めを行う。
このほか,MRIブースでは,研究用の3T MRI「SIGNA Premier」と1.5T MRIの「SIGNA Artist」を展示した。SIGNA Premierは,ガントリ開口径70cのワイドボアが特徴で,傾斜磁場強度80mT/m,スリューレート200T/m/sを確保。一方,SIGAN Artistは,第2世代のデジタルRF技術“TDI(Total Digital Imaging)”を採用し,高いSNRによる高分解画像を得られる研究用途にも対応した装置である。