RSNA2018 キヤノンメディカルシステムズ − ヘルスケアIT
“Global Illumination”などVitreaの最新バージョンの機能を紹介
2018-11-28
Vitalブース
RSNA 2018 ヘルスケアIT
Canon USA Inc.(キヤノンメディカルシステムズ)のHealthcare ITは,特設展示や各モダリティコーナーに多くの医用画像処理ワークステーション「Vitrea」が設置され,豊富な臨床アプリケーションをアピールしたほか,Vital社とOlea Medical社のブースにおいても説明を行った。
Vitalブースでは,VNAなどの医用情報統合ソリューションと合わせて,Vitreaの最新バージョン(V7.10,日本未発売)を紹介した。“Global Illumination(日本未発売)”は,フォトンマッピングというレンダリング手法を応用して,反射光や環境光を精密に計算することでより鮮明な光や影の描出を可能にする。従来のボリュームレンダリングでは,CT値による色づけと1方向の光で影をつけていたが,フォトンマッピングでは周りからの光を計算することで現実的なリアルな表現を可能にする。Vitreaの新バージョンから,3Dに標準で搭載される予定だ。臨床用途としては,仮想内視鏡画像での陥凹病変の描出や,整形領域のインプラントの確認などが考えられる。Vitreaでは高速処理によって,リアルタイムのレンダリングで多方向の観察が可能なことがアドバンテージとなる。
また,4Dの頭部のパーフュージョン画像では,従来singular value decomposition(SVD)法が用いられてきたが,ノイズとCT値に差がない場合には描出が難しい,高度虚血領域において平均通過時間(MTT)が反転するなどの問題があった。その欠点を打開するため,Olea Medicalが持つベイジアンアルゴリズムを搭載し,より正確なパーフュージョン画像の解析を可能にする“ベイジアンアルゴリズムfor Brain Perfusion(CT、MR)”を紹介した。ベイジアン法による解析では,ノイズに強く正常部と病変部の信号差が少ない場合でも明瞭に描出することができ,虚血の左右差なども判定可能になり,より正確な急性期脳虚血の診断がサポートできる。
そのほか,Olea Medicalのブースでは,同社のワークステーション「Olea Sphere」のさまざまな画像解析ソリューションを紹介した。なかでも,“Olea Pulse(日本未発売)”は,同社の画像解析アプリケーションを組み合わせて,解析したい画像データを選択するだけで,フルオートでポストプロセスを行い,レポート作成,PACSへの送信,Emailなどでの通知まで行えることをアピールした。RSNA2018のOpening Sessionでも言及されたように,放射線科医の仕事量の増加と人手不足の状況が世界的に広がっており,撮像から解析まで自動化することで,ワークフローの向上をサポートする機能として期待される。