RSNA2015 GE - 核医学
PET/CTとSPECT/CTの定量化技術やアルツハイマー型認知症の早期診断ツールをデモンストレーション
2015-12-1
「Advantage Workstation VolumeShare7」に
搭載されたβアミロイド解析ツール
RSNA 2015[第1日目:11月29日]
GE HealthcareのMolecular Imagingのコーナーでは,ハードウエアの実機展示はなかったが,「定量」を一つのキーワードにして,PET/CTやSPECT/CTの定量化技術についてプレゼンテーションを行った。また,日本では2015年6月に,PET検査用薬剤合成装置「FASTLab」にβアミロイド検出用の薬剤「ビザミル」の合成機能が搭載されたことがアナウンスされたが,ビザミルでのβアミロイド画像を解析するツールが「Advantage Workstation VolumeShare7」に新たに加わったこともデモンストレーションを行って紹介された。
PET用の画像再構成法として2014年に日本国内でも発表された“Q.Clear”は,“画質”と“定量性”の両立をめざして開発された。GE HealthcareのPET/CTである「Discovery IQ」などに搭載される。逐次近似法の演算アルゴリズムを新たに開発して,ノイズをコントロールしながら繰り返し計算処理を行うことで,高い精度のSUVを算出できるようになった。また,ノイズ処理により画質も向上しており,従来以上に小さな腫瘍の集積も明瞭に描出する。これにより,放射線治療や化学療法における治療効果判定を高精度に行える。
Q.Clearが搭載されるDiscovery IQは2014年8月に日本でも販売を開始している。新開発の検出器“LightBurst Detector”により,対軸方向に最大26cmの範囲を撮像でき,検査時の短縮化を図れるほか,高感度化により放射性薬剤の低減も可能になる。
一方,SPECT/CTでは,両者のセグメンテーションツールを用いて定量化を図る“Q.Metrix”がある。Q.Metrixでは,放射性薬剤の摂取量とMBq/mLで表示することができるほか,被検者の身長・体重などの情報を合わせてSPECT SUVも算出でき,治療効果判定に有用である。Q.Metrixは,「Discovery NM/CT 670 Q.Suite PRO」などに搭載されている。
また,「Advantage Workstation」の最新バージョンである「VolumeShare7」では,βアミロイド解析ツールが搭載された。MR画像とのフュージョンや健常者の画像との比較表示などが行え,アルツハイマー型認知症の早期診断に貢献する。
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