RSNA2013 東芝 - MRI
きれい,簡単,コンパクトをコンセプトにした「Vantage Elan」を初披露
2013-12-4
きれい,簡単,コンパクトなVantage Elan
RSNA 2013 [第2日:12月2日(月)]
Toshiba Medical Systems(東芝メディカルシステムズ)のMRIのコーナーでは,RSNA 2013直前の11月28日に国内でも発表された1.5T MRI「Vantage Elan」が初披露されたほか,ハイエンドの3T MRI「Vantage Titan 3T」と1.5T装置の上位機種にあたる「Vantage Titan」が展示された。
Vantage Elanは,「きれい」「簡単」「コンパクト」をコンセプトにした,ミドルレンジの装置。中小病院やクリニックの新規導入,更新需要に対応する。「きれい」とはすなわち高画質の実現である。上位機種のVantage Titanと同じ短軸マグネットを用いており,磁場の均一性が高く,50cmの広いFOVでも質の高い画像を得られる。また,最大傾斜磁場強度33mT/m,スリューレート125T/m/sという高い傾斜磁場を実現。RFコイルも信号の劣化を極力抑えてデジタル信号への変換処理を行うことで,高画質化を図っている。
受信コイルには,“Multi Platform RF System”を採用し,複数の受信コイルを同時に接続することが可能。“Octave SPEEDER”を使用することができるため,SNRの良い画像が得られるほか,体格や臓器に応じて受信素子と配列を最適化することで,容易なセッティングを可能にしている。
「簡単」な検査を実現する技術としては,自動化のアプリケーションを搭載している。ソフトウエアに最新の“M-Power V3”を採用。脊椎領域に対応した“SpineLine”や頭頸部領域の“NeuroLine”では,撮影部位の形状を解析し,位置決めを容易にして,検査時間の短縮化にも貢献する。
「コンパクト」については,最小設置面積23m2を実現している。「EXCELART Vantage /Powered by Atlas」と比べ29%の省スペースとなったほか,システム制御ユニットの見直しや冷却効率の向上により機械室を不要にした。これによりMRIの導入が難しかったクリニックにも設置が可能である。また,設置開始から最短5日間で稼働させることができ,リプレイスによる稼働停止期間を短くできるなど,病院経営にも貢献する。
病院経営に貢献する技術としては,省電力化も挙げられる。システム本体と冷却器の電源容量をクラストップの25kVAにした。また,“エコモード”を採用し,寝台を下げるとすぐにスタンバイモードになるなど,EXCELART Vantage /Powered by Atlasと比べ,システム最大消費電力量を50%削減できる。
このほか,東芝社独自の静音化機構である“Pianissimo”が“Pianissimo Σ”へと進化した。従来のPianissimoは,真空層をつくるために真空ポンプを用いていたが,Pianissimo Σでは,真空ポンプをなくすことにより消費電力を抑えつつ,静音化を実現している。
Vantage Titan 3Tでは,DWIやMRAにおけるさらなる画質向上に向けて開発しているアプリケーションを紹介していた。
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