RSNA2013 シーメンス - MRI
静音機構“Quiet Suite”と肝臓造影検査の定量化を可能にする新シーケンスを発表

2013-12-4

シーメンスヘルスケア

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特別コーナーで“Quiet Suite”の効果をアピール

特別コーナーで“Quiet Suite”の効果をアピール

RSNA 2013 [第2日:12月2日(月)]

Siemens Healthcare(シーメンス)のMRコーナーでは,MR検査時に発生する騒音をカットする新しい静音機構である“PETRA”と“QuietX”を発表し,“Quiet Suite”として特別コーナーを設けて展示を行った。

PETRAは,Ultra short TEの技術をベースに開発されており,基本的にソフトウエアだけで通常の検査の93%まで騒音をカットする。現在使用できるシーケンスは3D-T1強調画像だが,Prepulseによるコントラストを強調するため,将来的にさまざまなコントラストに対応していく。一方のQuietXは,すべてのシーケンスで使用でき,70%のリダクションを実現する。次のソフトウエアバージョンで導入が可能になり,現在対応が予定されている機種はMAGNETOM SkyraとMAGNETOM Aeraとなっている。展示では,実際にヘッドフォンでQuiet Suiteの有無を比較する検査音を聞くことができ,静音機構の効果を耳で実感できるようになっていた。

小児(乳幼児)向けの頭頸部用16chコイルを展示

小児(乳幼児)向けの頭頸部用16chコイルを展示

また,同コーナーでは,新しい小児(乳幼児)向けの頭頸部用16chコイルを展示した。ベッドとなる専用の保育器のままコイルにセットできるため,患者を起こさずにセットでき,コイルセンターにセッティングできることで,高画質撮影が可能になる。この専用コイルと静音機構の組み合わせで,小児に優しいMRI検査が可能になることをアピールした。

今回のシーメンスの展示では,MRゾーンに設けられた巨大な肝臓の模型が注目を集めたが,MRのテーマとなっているのがBodyMRI,なかでも肝臓検査をターゲットにしたさまざまな取り組みである。近年,MR画像についても定量化が求められるようになってきた。読影においても,臓器ごとのガイドラインがそろってきており,標準化が迫られている。肝臓MRIでは,Gd-EOB-DTPAの造影検査が行われるが,20秒の息止めで撮像される動脈相の造影ピークの判定が,MRIの撮像時間の限界から課題となっていた。シーメンスでは,それに対応するシーケンスとしてRSNA 2012において,時間を延長せずに分解能を上げることができる“CAIPIRINHA”を発表した。RSNA 2013では,さらに高分解能を維持したまま,1フェーズあたり2.5秒の高速撮像を可能にする新しいシーケンス“TWIST-VIBE”を紹介した。これによって20秒間に13,4フェーズの撮像が可能で,ピークやウォッシュアウトのタイミングの把握も可能になる。

“BodyMRI”をアピールする肝臓の巨大な模型

“BodyMRI”をアピールする肝臓の巨大な模型

1フェーズあたり2.5秒の高速シーケンス“TWIST-VIBE”

1フェーズあたり2.5秒の高速シーケンス“TWIST-VIBE”

 

また,MRIの上腹部検査で問題となる息止め不可の患者で,自由呼吸下で動きによるアーチファクトを除去する“StarVIBE”,肝臓の脂肪と鉄分の定量評価を自動的に行いカラー表示する“LiverLab”(日本国内薬事未承認)を紹介し,シーメンスのMRIの定量化に向けたアドバンテージをアピールした。

呼吸移動アーチファクトを除去する“StarVIBE”

呼吸移動アーチファクトを除去する“StarVIBE”

脂肪,鉄分を自動判定する“LiverLab”

脂肪,鉄分を自動判定する“LiverLab”

 

シーメンスでは,高い画質を安定して得るためのユーザーインターフェイスである“Dot(Day optimizing throughput)”が提供されているが,RSNA 2013では,シーケンスの作成などがより簡単に行えるようにプラットフォームの改善を図った“Dot Cockpit”を紹介した。

プラットフォームを改善した“Dot Cockpit”を発表

プラットフォームを改善した“Dot Cockpit”を発表

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