RSNA2013 島津製作所 - X-ray
Triniasシリーズの天井走行タイプ「Trinias C12 package」を初展示
2013-12-5
「Trinias C12 package」
RSNA 2013 [第3日目:12月3日(火)]
多彩なX線装置を取りそろえるShimadzu Medical Systems(島津製作所)は,RSNA 2012,ITEM 2013で床置きタイプを展示した血管撮影装置「Trinias」シリーズの天井走行タイプ「Trinias C12 package」(FDA申請中)を初めて展示した。Triniasシリーズの12インチ角FPDを採用したタイプ(現在は8インチ角タイプも販売)は,頭部,心臓,腹部,四肢まで,全身をカバーする汎用性の高い装置で,床置きタイプ「Trinias F12 package」とバイプレーンタイプ「Trinias B12 package」の3タイプを用意している。また,製品コンセプトに,“SCORE Image(最高画質)” “SMART Design(優れた操作性)” “SMILE Concept(安全と安心)”の3つの“S”を掲げ,臨床的有用性の高いアプリケーションのオプション搭載や,患者と医療スタッフが心地よく検査できる機能の装備,そして,包括的な被ばく低減と被ばく管理を行えることを特長としている。RSNA 2013では,新しく3Dナビゲーション機能 “image guided intervention”を強化した。
X線テレビシステムとしては,日本国内では2013年1月に発売を開始したミドルクラスのFPD搭載多目的装置「SONIALVISION G4」(FDA申請中)と,I.I.を組み合わせた汎用型システム「SONIALVISION VERSA DR」を紹介した。 2013年グッドデザイン賞を受賞したSONIALVISION G4は,映像系がテーブル端まで移動するため,泌尿器検査や,長尺撮影のスロットスキャン(オプション)を用いての整形外科検査に適している。スロットスキャンは,被写体に対して直角にX線を照射するため,一般撮影の長尺撮影と比べて歪みのない画像を得ることができ,人工関節などの埋め込み時に高い精度で計測することができる。 日本国内では消化器内視鏡検査が増えていることもあり,X線テレビシステムを透視専用に使用することは減少しつつある。米国も含め装置の有効活用のため,消化管以外の検査を行うことが求められつつあり,そのニーズに応える製品となっている。
一般撮影装置としては,ダイヤル式コンソールを標準搭載する「RADspeed DR」とオールインワンコンソールが特長の「RADspeed V4」(FAD未承認)を展示した。ともにオプションで長尺撮影スタンドを追加でき,日本向けにテーブルをより低い位置まで下げられるようにしたり,米国向けに耐荷重を強化するなど,市場に合わせて仕様がカスタマイズされる。
RADspeed V4は,日本国内では2014年初めの発売を予定(日本での製品名は,RADspeed Pro V4)しており,現在最終的な臨床評価が行われている。特長のひとつは,RISからの検査情報の取り込み,検査実施操作,画像表示まで,1台のコンソールで検査のすべてを行える“オールインワンコンソール”で,操作卓の省スペースが可能となる。また,X線管球のモニタや,検査室内に設置する小型パネル(オプション)で,撮影の設定や撮影画像のプレビューも可能で,検査時の検査者の動線をシンプルにし,ワークフローの向上に貢献する。
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回診用X線撮影装置は,米国での高いシェアを誇る「MobileDaRt Evolution」を展示。富士フイルムメディカル,キヤノン,コニカのFPDとの組み合わせ(コニカは米国のみ)と,NICU向けに保育器と組み合わせたユニットが展示された。3種類のFPDから選択できる“Panel Neutral Solutions”により,医療機関では既存の一般撮影装置などと同じメーカーのFPDを導入することで,同じようなコンソールのユーザーインターフェイスで撮影操作を行うことができる。
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現在,島津が特に力をいれているアプリケーション“トモシンセシス”を紹介するコーナーも設けられ,来場者の関心を集めた。トモシンセシスは,整形外科においては人工関節や創外固定によるメタルアーチファクトの除去,脊椎や胸部の撮影,また,肺生検での鉗子やカプセル内視鏡の位置確認にも有用であるとして,用途が広がり続けている。CTと比べて被ばく線量を抑えられることもメリットである。
島津では,さらなる被ばく低減をめざし,トモシンセシスと独自の逐次近似法を組み合わせた画像処理法“T-smart”を開発。トモシンセシスの標準撮影では,40°の範囲で74枚の画像を取得し再構成を行うが,37枚の撮影画像で再構成するトモシンセシスにT-smartを適用することで,標準トモシンセシス画像と同等の画像を得ることができるという評価結果も出ている。被ばく線量と撮影時間(通常約5秒)を,通常トモシンセシスの半分程度に抑えつつ,同等の画質を得られることから,特に小児の検査などで高い有用性を発揮する。
なお,X線テレビシステムの最上位機種である「SONIALVISION safire 17」でトモシンセシスが可能となっており,透視撮影装置でトモシンセシスが行えるのは,島津が唯一である。
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