RSNA2013 日立 - MRI
超電導3T MRI「TRILLIUM OVAL」を中心に,幅広いラインナップをアピール
2013-12-2
超電導3T MRI「TRILLIUM OVAL」
RSNA 2013[第1日目:12月1日(日)]
Hitachi Medical Corp & Hitachi Aloka Medical Ltd(日立)ブースのMRコーナーでは,昨年のRSNA 2012で発表された超電導3T MRI「TRILLIUM OVAL」(FDA未承認),1.5T MRI「ECHELON OVAL」の楕円形ワイドボアガントリを特長とする2台と,超電導オープン1.2T MRI「OASIS」,永久磁石オープンMRI「APERTO Lucent」の計4台を展示し,幅広いラインナップで,ユーザーのニーズに応えられる日立メディコ独自の強みをアピールした。
TRILLIUM OVALは,2012年の発表以後,日本国内では薬事承認を取得し,1号機の年度内稼働が見込まれている。3枚の花弁とがくを持つ花“トリリアム”(triはラテン語で「3」)から名付けられたTRILLIUM OVALは,「やさしさ OVAL Shape」「たしかさ Reliability」「つかいやすさ WIT」の3つを特長とする。
OVAL Shapeは,人が横になった時の身体の形に合わせた楕円形OVAL Patient Bore(横74cm,縦65cm)により,圧迫感を軽減した快適な検査空間を提供する。体格の大きい被検者や閉所恐怖症の被検者の検査,大柄な女性のブレスト撮像も比較的容易に行える。テーブル幅も63cmと広いため,被検者がリラックスして横になることができ,身体の位置を左右にずらすことで,肩関節などもFOV中心に据えて撮像することもできる。また,頭部をフィートファーストで撮像できる点も特長であり,被検者の圧迫感軽減に貢献する。
Reliability(たしかさ)においては,4ch-4portを独立してコントロール可能な独自の“OVAL Drive RF”と,日立グループの磁場シミュレーション技術,高度な解析技術による楕円形ガントリに最適な傾斜磁場コイルにより,ムラの少ない高画質な画像を提供する。
操作性の面では,ワークフローを追究したWIT(Workflow Integrated Technology)を実装。WIT RF Coil Systemは,頭部用と脊椎用のコイルを常にテーブルに据え付けたまま,各部位の撮像が可能で,セッティングの時間を短縮できる。腹部コイルは身体に巻き付けるように設置できる構造で,コイルを身体に密着させることでSNRを向上させる。
テーブルは,最大60°の斜め方向からも着脱でき,狭い検査室でも扱いやすい工夫がなされている。50cmの高さまで下げることができるため,車いすからの移乗や,高齢者・小児の乗り降りを支援する。また,テーブル4か所に点滴スタンドを取り付けられ,寝台両脇のアームボードで造影検査を支援するなど,安全に検査ができるように,細かい配慮がなされている。さらに,ガントリ前面のモニタで患者情報や生体信号を確認できるため,被検者の取り違え防止や,検査時の操作技師の動線をシンプルにし,ワークフローの向上を図っている。
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MRコーナーでは,モニタで各種アプリケーションも紹介。カラーマップによる性状診断をめざす“MR Plaque Image”や,容易にMRS/CSIの計測・解析が可能な“ワンボタンMRS/CSI”,不慣れな操作者でもすぐに位置決めを行える支援機能“AutoPose”,SARを低減するVRFA(可変Flip Angle)技術“isoFSE”をアピールした。isoFSEは,等方ボクセルでの高空間分解能で,3Dボリュームの撮像が可能で,撮像後にMPRで任意の断面の再構成ができる。3D撮像でプラークの広がりも確認できるため,MR Plaque Imageと組み合わせて用いることで,プラーク診断をより高度に行うことができる。
オープンMRIとしては世界最高の磁場強度を持つ超電導1.2TオープンMRI「OASIS」は,オープンMRIへのニーズが高い米国が主要マーケットである。オフセットピラーによる開放感あふれる空間により,閉所恐怖症の被検者も比較的容易に検査を実施できる。
また,被検者位置を移動する際には,被検者自身をテーブルの左右に寄せる必要がある超電導装置と異なり,オープンガントリを活用してテーブル自体が左右合わせて20cm移動できるため,特に整形領域などで有用性を発揮する。