RSNA2013 日立 - CT
オープン&コンパクトな16列CT装置「Supria」をRSNA初展示
2013-12-3
64列/128スライスCT「SCENARIA」
RSNA 2013[第1日目:12月1日(日)]
Hitachi Medical Corp & Hitachi Aloka Medical Ltd(日立)のCTコーナーでは,今年の6月に米国内で正式リリースされた64列/128スライスCT「SCENARIA」と,日本で8月に発売された16列マルチスライスCT「Supria」(FDA未承認)の展示に加え,現在も進化を続けるノイズ低減機能の紹介が行われた。
SCENARIAは,開口径75cmのオープンなガントリを持つ64列CT装置。128スライス対応にバージョンが上がったことで,さらに高精細な画像の取得が可能となった。0.35s/rotの高速撮影は,心臓だけでなく全身のどの領域の撮影にも対応する。“CardioConductor”(撮影条件自動設定)や“CardioHarmony”(最適心位相検索)といった心臓撮影技術(オプション)や,“2D-ASC”(二次元散乱線補正コリメータ)や“CORE(三次元画像再構成法)”などの高画質技術を搭載している。
ガントリ前面のモニタ“Touch Vision”には,心電図などのほか,被検者のための検査ガイドを文字やイラストを使って表示できる(10か国語対応)。また,検査中の指示がわかりやすいように,ガントリ内側3か所に小さいモニタが設置され,息止め指示や秒数のカウントが文字で表示されるようになっている。目視で指示を確認できるため,聴覚にハンディがある被検者も確実な検査を受けることができる。
標準撮影範囲が175cmの天板は,延長天板をつけることで最大2mまで撮影可能。標準天板の撮影でも,最短10秒程度で全身撮影を行うことができる。 天板幅は47.5cmと,64列装置最大幅となっており,余裕をもったセッティングができる。天板マットは両サイドにヒレができる幅の広いタイプとすることで,被検者の手足の天板への挟み込みや,造影剤などの天板への付着を防ぐことができる。また,寝台には左右8cm(計16cm)の横スライド機構“IntelliCenter”を実装し,心臓検査や肩関節撮影などにおいて,FOV中心に関心領域をセッティングすることで,空間分解能の向上と被ばくの低減を図ることができる。
コンソールは,24インチワイドモニタ1台と,スタートボタンなどが一体化したキーボード1台で構成された省スペース設計となっている。撮影の開始や停止のタイミングを,ボタンが光ることで示す支援機能が付いている。
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日本国内ではすでに発売されているSupriaは,SCENARIAの各種技術を継承した16列の普及機で,SCENARIAと同じ75cmの開口径ながら,ガントリサイズを大幅に縮小した。ガントリ,寝台,コンソールの3ユニット構成で,クリニックなど広い検査スペースの確保が難しい施設でも導入できる。ガントリ内3か所のモニタや天板マット,コンソール構成は,SCENARIAと同様である。
現在リリースしている装置は,天板がショートタイプのものであり,撮影範囲は標準で120cmとなっている。
コンソールは,わかりやすいボタン表示のユーザーインターフェイスで,簡単に操作することができ,小規模施設への新規導入など,操作に不慣れな操作者でも容易に検査を実施できる。
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また,日立独自のノイズ低減機能“Intelli IP”が2012年にバージョンアップし,“Intelli IP(Advanced)”としてリリースされているが,現在,さらなるノイズ低減をめざし,ルーチンで使用できるモデル型逐次近似再構成技術を開発中とのことで,今後の発表が期待される。なお,“Intelli IP(Advanced)”は,SCENARIA,Supriaともに標準搭載となっている。
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