RSNA2013 富士フイルム - マンモグラフィ
トモシンセシス対応の「AMULET Innovality」とWS「AMULET Bellus」
2013-12-5
従来の2Dマンモ(右)とCTライク表示(左)の
トモシンセシスに対応
RSNA 2013 [第3日目:12月3日(火)]
FUJIFILM Medical Systems(富士フイルム)は,RSNA 2012で発表し,日本では2013年3月から発売されているマンモグラフィ専用画像診断ワークステーション「AMULET Bellus(米国ではAspire™ Bellus Workstation Breast Imaging)」と,“HCP(Hexagonal Close Pattern)”構造のTFTパネルを採用した直接変換型FPDのデジタルマンモグラフィ装置「AMULET Innovality」(FDA未承認)を中心に,マンモグラフィ関連の展示を構成した。
AMULET Bellusは,大容量マンモグラフィデータの高速表示,ワンクリックでの画像比較表示,専用キーパッドやマウス操作時のアイコンの搭載など,シンプルなユーザーインターフェイス,富士フイルムの画像認識技術を生かした過去画像との高速切替表示(Intelligent Temporal Comparison:ITC),個々の乳房形状を反映したシェーマ作成機能など,多様かつ複雑なマンモグラフィ読影を支援する独自機能を多数搭載している。RSNA 2013の展示では,トモシンセシス画像の表示において,濃度表示を従来の2Dのマンモグラフィにあわせた画像に加えて,断層画像としてCTライク表示の要望が多かったことから,CT画像に近い表示モードの選択が可能になることを紹介した。
また,トモシンセシス機能を搭載したデジタルマンモグラフィ装置のAMULET Innovalityは,トモシンセシスの撮影においてより低線量で高画質な検査のために,高い検出能を持つ“HCP(Hexagonal Close Pattern)”構造のTFTパネルを採用していることが大きな特長だ。TFTパネルにはX線スペクトルの変換効率に優れた直接変換型のセレン(Se)が採用されているが,さらに高い検出能を得るため六角形(Hexagonal)の素子を開発。これによって,感度およびDQE(量子変換効率)が3割近く向上されている。また,X線管球についても管電圧を上げて被ばく低減するため,タングステンを採用し最大49kVpまでの曝射を可能にした。さらに,トモシンセシスの撮影では,撮影時間が短く低線量を優先した“ST-mode”と,画像分解能を優先した“HR-mode”の2つのモードから選択できるようになっている。これによって,ST-modeを選択すれば,通常の撮影と同等の線量でトモシンセシスまで撮影が可能になる。
AMULET Innovalityと同時にリリースされた,乳房撮影時の圧迫の際の痛みの軽減をめざして開発された「FS(Fit Sweet)圧迫板」も展示された。FS圧迫板は,傾斜と圧迫板に入れられたスリットによって,乳房にかかる圧力を分散して痛みを軽減する。
富士フイルムメディカルのデジタルマンモグラフィのAMULET(米国ではAspire)シリーズは,国内ではフラットパネル一体型装置ではトップシェアで,また,日本よりも先行して展開しているヨーロッパでも好調な販売となっており,現在,ワールドワイドで1000サイト以上に導入されている。AMULET Innovalityについては,日本での販売はすでに開始して導入施設も増えているが,米国ではFDA未承認で今後展開を進めていく予定だ。
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