RSNA2013 富士フイルム - ヘルスケアIT
骨ラベル,非剛体インテリリンクなどSYNAPSEの新機能を紹介
2013-12-5
骨ラベル
RSNA 2013 [第3日目:12月3日(火)]
富士フイルムのPACSソリューションである「SYNAPSE」は,米国では最新バージョン4.2だが,日本でのリリースが先行している部分がある。RSNA 2013では例年通り,日本のユーザー向けのコーナーを設けて,次に搭載予定の新機能を中心に紹介した。
EXビューワの新機能のひとつとして紹介されたのが,“骨ラベル”である。CTの読影の際に椎体の位置(番号)は,病変を特定したあと,改めてコロナル画像で椎体の位置を確認していた。骨ラベルでは,画像認識技術によって,自動的にすべての椎体にナンバリングを行うことも可能だが,椎体の変形などで患者によって異なることもあるため,読影時に椎体の番号を1か所指定することでラベリングを行う。
EXビューワでは,これまでもマンモグラフィの読影で,医師ごとの読影プロトコルを組める“マンモビュー”を提供していたが,新たにトモシンセシス機能の追加が可能になる。LMOからCC,過去画像の表示,トモシンセシスといった読影の流れを設定して,自動的に表示させることが可能だ。
造影と非造影,今回検査と過去検査など,異なる検査画像の比較読影の際に,表示位置をリンクさせることが効率的な読影には重要だ。“非剛体インテリリンク”では,従来は手動で行っていた画像間の位置合わせを,富士フイルム独自の画像認識技術を応用して,あらかじめボリュームデータとして認識することで,腹部臓器など非剛体の異なる検査シリーズにおける自動位置合わせを可能にした。
3Dワークステーション「VINCENT」では,現在の最新バージョン(3.3)の次の,第4世代のVINCENTの機能を紹介した。脳神経外科領域の開頭シミュレータ/テンソル解析である。テンソル(脳神経束)イメージングを可能にするほか,MRAやangio,CTの重ね合わせだけでなく,術前の開頭シミュレーションをも実現する。脳神経外科で行われているナビゲージョン手術に対して,画像の専門メーカーからのアプローチとして,より精度の高いシミュレーション画像を提供する。
循環器領域では,CTでは冠動脈解析,心機能解析,MRIでは心筋パフュージョンや遅延造影解析などを提供しているが,新バージョンでは心電同期によるCTマルチフェーズデータからの4チャンバー解析を提供し,右室の機能解析を可能にする。新バージョンでは,画像認識のエンジンを利用することで,より精度の高い解析が可能になる。肺動静脈の自動抽出の機能とあわせて,肺循環での臨床応用が期待される。
MRIのT1,T2,T2スターなどの値を使った定量評価であるTXマップを,VINCENT上で可能にする。MRIのコンソールだけでなく,VINCENTでも行えるようにすることで利用を拡大できる。