RSNA2012 フィリップス - CT
CT:“Knowledge-Based”逐次近似再構成「IMR(Iterative Model Reconstruction)」を発表

2012-11-27

フィリップス・ジャパン

CT


フラッグシップのBrilliance iCTシリーズ

フラッグシップのBrilliance iCTシリーズ

RSNA2012 [第1日目:11月25日(日)]

フィリップスのCTでは,昨年のRSNA2011に引き続き64/128スライスの「IngenuityCT」ファミリーと,フラッグシップである256スライスの「Brilliance iCT」を展示した。今回,低コントラスト領域における検出能向上に大きな効果を発揮する新しい逐次近似再構成であるIMR(Iterative Model Reconstruction)が発表された。

フィリップス社の逐次近似応用再構成法である“iDose4”は,再構成プロセスの中でFBP(Filtered Back Projection)法を使用することによって,自然な画質と速い再構成処理を特長としていたが,ノイズの低減率は“最大55%”だった。“IMR”では,逐次近似法による画像処理によって,ノイズを“最大90%”低減することが可能で,ユーザーがノイズから解放されることで,“Virtualy Noise-Free Imaging”を実現することをコンセプトにしている。

64/128スライスのIngenuityCTファミリー

64/128スライスのIngenuityCTファミリー

さらにIMRでは,特に低コントラストの画像において画質の向上が期待でき,CTのスペックの向上とも相まって,1mm以下のレベルで低コントラスト画像の診断が可能になることが期待される。低コントラストを評価する指標のひとつである密度分解能では,Catphan CTファントム500による計測で,2mm@0.3%@10.4mGy(10.4mGy撮影してCT値差0.3%のコントラストを2mmの大きさまで確認できる)を実現している。従来の再構成法では,4mm@0.3%@27mGyであり,低線量で画質の向上を実現していることがわかる。IMRの低コントラストの検出能が向上し,微小構造の情報を引き出すことによって,早期発見や早期治療への貢献が期待される。

従来,逐次近似法において計算時間の延長が課題となっていたが,IMRではインテル社との共同開発によるリコンストラクターによって,約1000枚の画像を5分程度で再構成が可能になっている。スピードを臨床的な許容範囲に大きく近づけると同時に,コンパクトなハードウエア設計で設置性にも優れている。

フィリップスでは,IMRをFBPベースの画像再構成に対する次のステップの画像再構成技術と位置づけ,CT画質の新時代(A New Era of CT Image Quality)としている。日本ではIMRを2013年を目標に,市場への投入を予定している。

 

IMRは低コントラストの検出能が従来の2.7倍に向上

IMRは低コントラストの検出能が従来の2.7倍に向上

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