RSNA2012 日立 - MRI
ワイドボアの3T MRI「TRILLIUM OVAL」が登場

2012-11-26

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ワイドボア3T MRI「TRILLIUM OVAL」

ワイドボア3T MRI「TRILLIUM OVAL」

RSNA2012 [第1日目:11月25日(日)]

日立メディコでは,昨年のRSNA2011で発表された楕円形ワイドボア1.5T MRI「ECHELON OVAL」に続き,今回はワイドボア3T MRI「TRILLIUM OVAL(トリリアム オーバル)」(FDA未承認,日本国内薬事未承認)が参考出品された。

TRILLIUM OVALの最大の特長は,4ch-4port RF照射コイル“OVAL Drive RF”(FDA未承認,日本国内薬事未承認)という革新的なハードウエアにある。4ch-4portの独立制御により,3T特有のRF照射不均一の改善をめざす。RF照射の不均一度を示すSDの検討では,2ch独立制御方式と比べて改善が見られた。また,RF照射不均一の確認に必要なB1 mapが3秒スキャンで取得可能となる(OVAL Drive QS:Quad RF Shimming)。

 

ワイドボア3T MRI「TRILLIUM OVAL」
頭部,頸部,頭頸部の撮像では,常時設置可能な同一のヘッドコイルを使用し,上部アタッチメントの交換だけで可能。 Spineコイルもマット下に常時設置可能。

頭部,頸部,頭頸部の撮像では,常時設置可能な同一のヘッドコイルを使用し,上部アタッチメントの交換だけで可能。 Spineコイルもマット下に常時設置可能。

 

1.5T,3Tに共通のOVALの特徴として,まず横幅74cm,高さ65cmの楕円形ワイドボアが挙げられる。開口を楕円形にするメリットは多く,そのひとつがSNRの向上である。四肢関節などの撮像においては,横幅63cmのワイド天板上で被検者を左右に寄せてセッティングすることで,対象を磁場中心に近づけて撮像することができる。また,Spineコイルは体に巻きつけることで,SNRの向上を図る。
ガントリ内の空間が広いことで,側臥位など多様な体位で撮像でき,閉所恐怖症や体格の大きい患者など,より幅広い被検者への対応が可能となっている。フィートファーストでの頭部撮像も可能で,被検者の心理的負担を軽減することができる。

 

造影検査の際には寝台のアームボードを注入器設置に利用でき,操作性が向上する。 垂直方向に立てて使用すれば,移動時の被検者転落を防止し,寝台から起き上がる際の手すりにもなる。

造影検査の際には寝台のアームボードを注入器設置に利用でき,操作性が向上する。 垂直方向に立てて使用すれば,移動時の被検者転落を防止し,寝台から起き上がる際の手すりにもなる。

 

近年,ワークフローの向上が潮流のひとつであるが,OVALではWIT(Workflow Integrated Technology)によってワークフローの向上を追究している。従来は重く扱いにくかったコイルを,目的に合わせたアタッチメントの乗せ替えだけで交換を可能にしたコイルシステム(WIT RF coil system)や,被検者情報や同期信号の確認,被検者情報の編集が可能なガントリ前面上部のモニタ(WIT Monitor),検査室外で被検者を移乗することで,酸素ボンベなどの吸着事故のリスクを軽減できる着脱式モバイルテーブル(WIT Mobile Table)により,被検者・医療者の負担を軽減し,ワークフローの改善を図っている。モバイルテーブルは,2台導入することで,格段にスループットが向上する。ブース内には,コイル展示のコーナーも設けられ,ECHELON OVALのすべてのコイルを実際に触れて確認することができる。

 

ECHELON OVALのWIT RF coil system

ECHELON OVALのWIT RF coil system

 

OVAL Drive QS:Quad RF Shimming(FDA未承認,日本国内薬事未承認)

OVAL Drive QS:Quad RF Shimming(FDA未承認,日本国内薬事未承認)

 

さらに,最新の研究成果を含めた独自のアプリケーションも,モニタで展示された。なかでも,「MR Plaque Image」は,Radial Scan“RADAR”を応用し,非同期で頸動脈プラークを撮像でき,最適なTR/TEを設定して良好なコントラストの画像を得ることが可能となる。例えば,T1画像は,従来はTR=1000~1200msだったが,TR=500msに固定した設定が可能で,高いコントラストが得られる。これを基にしたカラーマップでのプラーク性状診断により,治療方針の決定を支援する。
また,「ワンボタンMRS/CSI」は,コンソール上でMRS/CSIの調整・解析が可能で,煩雑だと言われる計測前の調整を自動化している。代謝物のラベリングの自動化,ワンクリックでの解析などの簡略化により,ルーチンでの使用も可能となる。

 

MR Plaque Image

MR Plaque Image

 

ほかにも,脂肪抑制のBASING法とTE-Averaging法の併用が可能なBreast MRS(FDA未承認)などが紹介された。

 

Breast MRS(FDA未承認,日本国内薬事未承認)

Breast MRS(FDA未承認,日本国内薬事未承認)

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