ITEM2025 フィリップス・ジャパン 取材速報
検査から画像再構成,読影支援,ワークフロー改善まで幅広くAIを活用し,課題解決に資するソリューションを展開
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2025-4-12

フィリップス・ジャパンブース
フィリップス・ジャパンは,「Better care for more people」をテーマにブースを出展し,国内初展示のソリューションや技術を中心に来場者に披露した。新製品としては,次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」やデュアルAIエンジンでMRIの高速化と高画質化を革新する「SmartSpeed Precise」が登場したほか,自動化技術などを搭載した超音波診断装置「EPIQ Elite/Affiniti Elevate」シリーズ,初の電動Cアームを搭載した外科用Cアームの最上位モデル「Zenition 90」,画像診断ワークステーション「Advanced Visualization Workspace」などを展示。CTは,プレミアム装置「CT 5300」と2層検出器を搭載したフラッグシップモデル「Spectral CT 7500」を紹介し,医療現場のさまざまな課題を解決するためのソリューションをアピールした。
MRIでは,初日にアンベールされた新製品の次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」を大きくアピールした。ヘリウムフリーと消費電力削減を両立した1.5T装置で,新たにAIによる読影支援ソフトウエアへゼロクリックでアクセスできる「Smart Reading」プラットフォームに対応するとともに,All-in-OneのAIイメージング「SmartSpeed Precise」を実装する。SmartSpeed Preciseは,高速化を学習したSmartSpeed AIエンジンに,高画質化を学習した新しいエンジンを最適化したデュアルAIエンジンにより,パラレルイメージングと比べて撮像時間を67%短縮*1,80%以上の高精細化*2を実現する。なお,SmartSpeed Preciseは1.5T,3Tいずれの装置でも利用できる。
*1 パラレルイメージング(SENSE)と比較した場合
*2 パラレルイメージング(SENSE,C-SENSE)と比較した場合

次世代ヘリウムフリーMRI「BlueSeal」

All-in-OneのAIイメージング「SmartSpeed Precise」を新リリース
CTは,モックアップを展示したプレミアム装置「CT 5300」と,2層検出器を搭載したフラッグシップモデル「Spectral CT 7500」を紹介した。AI画像再構成に特化して開発された検出器「NanoPanel Precise detector」を搭載したCT 5300は,高画質と低被ばくを両立する「Precise Image」により画像診断の信頼性を向上させるとともに,AIカメラによる自動ポジショニングなどにより効率的なワークフローを実現する。
また,Spectral CT 7500は,2層検出器により一度の撮影で通常画像とスペクトラルデータを得られ,ルーチン検査の情報量を増やすことができる。ブースでは臨床画像を紹介し,臨床的有用性をアピールした。

ハードとソフトの両方にAIを活用したプレミアム装置「CT 5300」
超音波診断装置では,「EPIQ Elite/Affiniti」の最新バージョンとなる「Elevate」シリーズが実機を使ったデモンストレーションで紹介された。自動画像調節ツール「AutoSCAN Assistant」が拡充し,患者ごとに最適化した画像を手間を減らして描出可能なことに加え,肝臓エラストグラフィの計測に自動化機能を適用した「Auto ElastQ」,Quick Launchプリセット機能などによるワークフローの効率化,循環器領域のAI機能を搭載し,検査の効率化や検査者に依存しない超音波検査を可能にする。

「EPIQ Elite/Affiniti Elevate」シリーズの画質,アプリケーションをデモンストレーションで紹介

「Auto ElastQ」では自動化機能により容易に高精度なエラストグラフィ計測を実現
IGTシステムでは,外科用CアームZenitionシリーズに最上位モデルとなる「Zenition 90」が新たにラインアップされた。電動アーム/非電動アーム,ハイパワーX線管(25kw*3/15kw)を選択でき,21cm×21cm,30cm×30cmのパネルが用意されている。秒間15°の高速動作,オートポジショニング,接触前にCアームが自動で停止する接触防止機能「BodyGuard」*4,新開発のオート血管アウトラインを特長とし,循環器手技のニーズにも応えることができる。
*3 電動アーム型のみ選択可
*4 電動アーム型のみ対象

外科用CアームZenitionシリーズの最上位モデル「Zenition 90」
ヘルスケアITでは,従来「IntelliSpace Portal」として提供してきたマルチモダリティ,マルチベンダーの画像診断ワークステーションを「Advanced visualization workspace」に名称変更,リニューアルしたことをアピールした。解析アプリケーションが強化され,特に心臓や頭部領域の先進アプリケーションが追加されている。また,循環器解析のすべての結果を集約したダッシュボードが新設され,読影における利便性が向上した。

「Advanced visualization workspace」には心臓MR解析を統合した「MR Cardiac Suite」などが追加
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住所:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー15階
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