ITEM2021 キヤノンメディカルシステムズ 取材速報
”Made Possible”をテーマに高精細画像が実現する臨床価値をフルラインアップでアピール
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2021-4-17
キヤノンメディカルシステムズブース
キヤノンメディカルシステムズは,”Made Possible”をテーマに一昨年と変わらない面積でブースを構えた。今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として,出展品目や社員の参加などを制限,来場者の入場も入り口と出口を1か所にするなど展示ブース内で密な環境をつくらないように工夫されていた。また,今回はパシフィコ横浜での16日から3日間のリアル展示に加えて,Web-ITEM2021も予定されているが(5月12日~6月3日),同社では特設サイトをリアル開催に合わせて先行して公開した(https://jp.medical.canon/News/item2021_new.html )。
新製品としては,4月16日から国内販売が開始されたデジタルX線TVシステム「Astorex i9」がお披露目された。Astorex i9は,ユーザーの声を取り入れて新たな理想のX線TV装置を生み出す“Beyondプロジェクト”から誕生した新製品であり,キヤノン製平面検出器である“i-FPD”を採用しており,キヤノングループとしてのシナジーが発揮された製品でもある。同社のX線透視装置としては初めてトモシンセシス機能(i-slice)を搭載するなど新技術が投入されているのが特長だ。そのほかX線(XR)では,X線循環器診断システム「Alphenix」の高精細検出器が,従来の12インチ×12インチに加え,新たに12インチ×16インチにも対応したことを発表した。大視野のパネルに高精細検出器が搭載されたことで,腹部領域のコイルの視認性の向上などが期待される。
ヘルスケアIT(HIT)コーナーでは,読影支援ソリューション「Abierto Reading Support Solution(Abierto RSS)」を中心にディープラーニングなど人工知能(AI)技術を用いたさまざまなソリューションを紹介した。急性期脳卒中に対するソリューション(Abierto RSS for Stroke)は2020年に発売されているが,CT画像をAbierto RSSのサーバに転送することで,単純CTから脳出血とCT-ASPECTS,造影CTからCT-perfusionと血管の不連続性を自動で解析する。これによって救急での迅速な診断や不慣れな医師の支援,さらにはスタッフの働き方改革への貢献が期待される。また,Abiertoでは参考展示(W.I.P.)として,ボーンサブトラクションや新しいビューワなどが提案されていた。
モダリティでは,ディープラーニングを用いて設計された画像再構成技術「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」が搭載された,CT,MRI,そしてPET-CTを集めて展示を構成した。AiCEをキー技術として各モダリティが高精細画像の取得というコンセプトで開発を加速することで,画像診断領域で大きなアドバンテージを生み出していることをアピールした。それぞれ実機(モックアップ)は,CTではADCTのフラッグシップの「Aquilion ONE/PRISM Edition」,3テスラMRIの「Vantage Centurian」,PET画像もAiCEに対応したデジタルPET-CT「Cartesion Prime」が展示された。
Aquilion ONE/PRISM Editionは,新CT透視システムのための操作卓や,キヤノンが提供するWebカメラと組み合わせた検査室のソリューションも提案した。さらに,80列で90cmの大開口径を持つマルチスライスCT「Aquilion Exceed LB」についてもモニタを使ってプレゼンテーションした。MRIについては,Deep Learning Reconstruction(DLR)が3Tだけでなく1.5Tの「Vantage Orian」「Vantage Gracian」まで搭載されたことに加え,Compressed SPEEDER,Fast 3Dなど最新のバージョン7の機能と合わせて高精細撮像,撮像時間の短縮,定量評価など実臨床で活用されていることをアピールした。
超音波では,汎用の超音波診断装置の最上位機種である「Aplio i800」とタブレット端末型の「Viamo sv7」を展示。Aplio i800に搭載された“Liver Package”は,Attenuation Imaging(ATI),Shear Wave Dispersion(SWD),Shear Wave Elastgraphy(SWE)などで肝疾患をトータルにカバーする。Viamo sv7では,12MHzの高周波プローブに対応したことをPRした。
そのほか,展示会場の屋外で(株)Sanseiの医療コンテナソリューション「MC-Cube(Medical Container-Cube)」に,キヤノンメディカルシステムズの「新型コロナウイルスRNA検出試薬 LAMPdirect / Genelyzer KIT」などを搭載し,COVID-19の検査環境をどこでも,迅速に提供できる感染対策ソリューションを展示した。
●お問い合わせ先
社名:キヤノンメディカルシステムズ株式会社
TEL:0287-26-5100
URL:https://jp.medical.canon/