富士通,電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」を中心にヘルスケア領域の情報連携を可能にするLifeMarkシリーズをアピール
2016-7-13
富士通ブース
富士通は,2015年のホスピタルショウで発表した大規模病院向けの電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」を中心に,診療所向け電子カルテシステム「HOPE LifeMark-SX」,介護事業者向け支援システム「HOPE LifeMark-WINCARE」など,同社が進めるヘルスケアICT基盤「Healthcare Information Suite」の新しいラインアップをアピールした。
HOPE LifeMark-HXは,ウィジェットなどを使った使いやすいインターフェイス,統合されたデータベースによるシームレスな情報連携,テンプレート項目の意味づけによる二重入力の防止などを特長とする。ブースではメインステージでHOPE LifeMark-HXのコンセプトの紹介を行ったほか,最終日の15日には2016年2月からHOPE LifeMark-HXが稼働した国立病院機構名古屋医療センター医療情報管理部部長の佐藤智太郎氏と,ヘルスケアシステム事業本部 第一ソリューション事業部事業部長の中川昌彦氏による特別企画「HOPE LifeMark-HX導入の実際」が行われた。最初に中川氏がHOPE LifeMark-HX開発のコンセプトを概説し,続いて佐藤氏が登壇し“ユーザーの声を聞く”対談が行われた。佐藤氏は,HOPE LifeMark-HXについて「ガラケーからスマートフォンに進化したような」電子カルテだと評価し,今後ネットワークやクラウドを生かして発展していくことを期待した。
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診療所向け電子カルテシステムであるHOPE LifeMark-SXは,医事・電子カルテ一体型のシステムとして3月に発売された。プラットフォームとしてWindows10を採用しクラウド型のサービスを利用可能であり,テンプレートやメディカルセットなどを利用することで簡単に入力でき地域のかかりつけ医の診療をサポートする。
介護事業者向け支援システム「HOPE LifeMark-WINCARE」は,訪問看護・介護,通所,施設の事業者向けの業務支援システム。HOPE LifeMark-WINCAREでは,スマートデバイスオプション機能でタブレット端末を使って訪問先などから情報の入力・参照が可能になる。VPN接続によって通信のセキュリティを担保すると同時に端末にはデータを蓄積しない仕組みと,機体番号とIDによる認証を行うことで安全性を確保している。また,製品のサービス機能として,病院や自治体,介護事業者間の多職種連携を可能にするSNSを利用できる。
HOPE LifeMark-HXでは,院内で発生するデータについて部門システムやベンダーにとらわれないシームレスな情報管理を進めているが,その発展型としてVNA(vendor neutral archive)に対応したソリューションの開発を進めている。展示では,電子カルテシステムのウィジェットの1つとして画面内に配置可能なユニバーサルビューワが参考出展された。これによって電子カルテの画面内でDICOM画像だけでなく波形データや非DICOM画像などの参照が可能になる。そのほか,「HOPE LifeMark-HX 生体検査ライブラリ」としてPACSビューワなども展示した。
通院コンシェルジュ(仮称)は,患者個人のスマートフォンにダウンロードしたアプリを介して,Beaconを使った自動受付,QRコードによる部門受付,待ち時間の案内,そのほか病院独自の情報提供などを可能にする案内ソリューションである。専用端末ではなく個人のスマートフォンを活用することで診療待ち時間の短縮やサービス向上などが可能なシステムをコストを抑えて容易に構築できる。