富士通,名古屋医療センターにWeb型電子カルテシステム「HOPE LifeMark-HX」を導入
〜診療データの利活用により医療の質を向上〜
2016-7-8
富士通(株)は,独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター(以下 名古屋医療センター)に,300床以上の大規模医療機関向けWeb型電子カルテシステム「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX(ホープ ライフマーク エイチエックス)」(以下,HOPE LifeMark-HX)を提供し,名古屋医療センターでの稼働を開始した。
本システムは,電子カルテシステムのみならず,医事会計システムや各部門で利用している様々なシステムのデータベースを統合することで,データの利活用の幅が広がるほか,簡単にほしいデータを加工・抽出できるBIツールを搭載している。
これにより,名古屋医療センターは,がんの化学療法中におけるB型肝炎への影響について,部門をまたいだデータ連携と蓄積を行い,新たな研究と療法の取り組みを開始するほか,医師の実績や病院の経営分析など様々な角度からデータを分析することが可能になった。また,医師や看護師など利用用途に合わせて電子カルテの画面パーツ(ウィジェット)をカスタマイズできる機能や,多種存在するテンプレート間で入力項目の共通化を図ることで,二重入力の手間を削減することができ,電子カルテ利活用の効率化を実現している。
同社は,名古屋医療センターにおいて,約1,300名の職員が本システムを活用することによる医療の質向上や業務効率化を支援していく。
なお,「HOPE LifeMark-HX」は, 7月13日(水曜日)から15日(金曜日)まで,東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「国際モダンホスピタルショウ2016」に出展される。
●導入効果
1.データ利活用により医療の質向上を促進
名古屋医療センターでは,オーダリングシステム(注1),電子カルテシステム,医事会計システム,各部門システムのデータベースを統合できる「HOPE LifeMark-HX」のデータウェアハウスを活用し,がんにおける連携医療の一環として,抗がん剤投与で影響を受ける可能性があるB型肝炎に対し,がん薬物療法前のHBs抗原検査(注2)をはじめとする関連検査の啓蒙活動として,検査・処方・外来予約・入院予約データをそれぞれ連携させて患者データに出力し,薬剤師がチェックを行い,医師へフィードバックするというPDCAサイクルを回して,B型肝炎ウイルスの再活性化予防の取り組みを実施している。
また,BIツールを標準装備しているため,本システムに集約した院内のあらゆるデータから,データ活用のための専門知識を必要とせず簡単にデータの加工・抽出が可能となり,名古屋医療センターでは,医師ごとの診療状況や病院の経営状況,患者の症例など,様々な観点からデータを分析することが可能になった。
2.システム利用者の用途に応じた画面カスタマイズにより使いやすさを向上
名古屋医療センターは,医師や看護師などシステム利用者の用途に応じて,薬歴・検査結果・病名・バイタルといった電子カルテ画面のパーツ(ウィジェット)を自由に配置できる「HOPE LifeMark-HX」の機能を活用している。医師は診察や術後経過の確認,看護師は患者の経過表や当日イベントの確認といった利用シーンに合わせて,必要な情報を分かりやすく表示し,診療の質向上や情報収集の効率化に貢献している。
3.電子カルテ入力の効率化を実現
電子カルテには,患者プロファイルや問診表,手術記録,経過表など様々なテンプレートが用意されているが,入力された用語の標準化や記述方法の統一ができていないため,診療情報の活用がスムーズにできないことが課題となっていた。「HOPE LifeMark-HX」では,入力項目に意味づけを行い,同じ項目であれば異なる種類のテンプレートにも自動で反映されるため,二重入力防止による効率化やデータ統一が図れる。名古屋医療センターでは,複数のテンプレートで項目の共通化を進めており,例えば電子カルテの患者プロファイルと看護支援の看護プロファイルの連携を図るなど,情報の整理と入力の簡素化を行っている。
注1 オーダリングシステム:
医師・看護師が検査や投薬,注射などの指示(オーダー)を電子的に各部門に伝達するシステム。
注2 HBs抗原検査:
B型肝炎ウイルス感染の有無を調べる検査。
●問い合わせ先
富士通コンタクトライン(総合窓口)
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受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
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