ITEM in JRC 2010

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富士フイルムメディカル株式会社
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ITソリューションとDR製品を2本柱にして,新製品・新技術を出品

  富士フイルムメディカルは今回,PACS「SYNAPSE」を中心としたITソリューションと近年強力に開発を進めているDR製品を2本柱にして,ブース中央のプレゼンテーションスペースの左右に,それぞれのエリアを設けて展示を行った。

  また,プレゼンテーションスペースの後方には,「トレンドシアター」を設け,昨年のRSNA(北米放射線学会)でも参考出品した3Dマンモグラフィなど,富士フイルムの最先端の技術を来場者に紹介していた。

  富士フイルムにとってFCRは象徴とも言えるもので,数多くの放射線医療の現場で活用されてきたが,今回のITEMでは影を潜めDRがメインの展示となった。これは2010年度の診療報酬改定において,デジタル映像化処理加算が廃止され,一般撮影のデジタルエックス線撮影料が新設されたことなどが影響していると思われる。中小規模病院や診療所では,FCRの人気は根強いものがあるが,大規模病院などには,DRを展開していくねらいがあるようだ。デジタル化進む中,同社の戦略がさらに明確になったと言える。(4月10日取材)

  富士フイルムメディカルブース
富士フイルムメディカルブース

●FCRからの移行にも適した世界最薄・最軽量のカセッテサイズDR「FUJIFILM DR CALNEO C」

 展示の主力の1つとなったDRは,「DRが変わる。FUJIFILMが変える。」をキャッチコピーにした展示が行われた。その中でも目玉となったのが,ITEM 2010直前の4月8日に発表されたカセッテサイズの新型DR「FUJIFILM DR CALNEO C」である。

  新製品は,厚さ14mm,重さ2.8kgと,カセッテサイズのFPD搭載DRにおいて,世界最薄・最軽量となる。FPDは富士フイルムが開発したISS方式を採用した間接変換方式で,高いX線変換効率を持つ。画像処理技術「Image Intelligence」との組み合わせにより,低線量の撮影でも高画質を実現する。また,CR用IPカセッテの半切サイズと同じ大きさにしたため,すでに導入ずみの立位,臥位の撮影装置で撮影が行えるなど,資産を無駄にせず,コストを抑えて導入できる。これは,撮影者がフィルムカセッテと同様に扱えるという点でもメリットだと言えるだろう。さらに,コンソールの「Console Advance」は,FCRと兼用できる。施設にFCRを順次DRへと更新していくようなケースなどで,利便性が高い。CALNEOシリーズは,2009年の9月に立位タイプの「FUJIFILM DR CALNEO U」が発表されてから,臥位タイプ,車載向けなど,ラインナップを拡充しており,今後もシリーズ展開を広げていくという。

  このほか,DRでは,CALNEOシリーズの上位ラインである直接変換方式FPDを搭載した「FUJIFILM DR BENEO」も改良を図った。今回のITEMでは,長尺撮影に対応しており,さらに検査の適応が広がった。また,デジタルマンモグラフィの「AMULET」もコンソール「AWS」のモニタに5Mピクセルの高精細モニタを奢るなど,ブラッシュアップしている。モニタ変更や過去画像との比較表示などにより,診療放射線技師が撮影画像を支援し,正確な検査施行が行える。また,マンモグラフィ用の読影ビューワ「マンモVIEWER」や,参考出品としてAMULETと組み合わせるバイオプシーも紹介していた。

  DRコーナーの一角には,超音波装置のコーナーも設けられた。2006年後半に超音波装置に参入した富士フイルムは,独自の“ZONE Sonography”技術を搭載した製品をコンスタントに市場に送り出している。今回は,今年5月に発表が予定されている「FAZONE CB」を出品した。ポータブルタイプの同装置は重量が4kg。内蔵バッテリでは1時間駆動する。患者さんの目に触れることを意識して,光沢のあるパールホワイト塗装がされている。12.1インチ型液晶と大型ボタンで扱いやすい。病院でのベッドサイドや設置場所が限られた診療所などでの使用が考えられるという。

 

カセッテサイズのDRで世界最薄・最軽量のFUJIFILM DR CALNEO C
カセッテサイズのDRで世界最薄・最軽量のFUJIFILM DR CALNEO C

長尺撮影に対応したFUJIFILM DR BENEO
長尺撮影に対応したFUJIFILM DR BENEO


AMULETのコンソールのAWS
AMULETのコンソールのAWS
参考出品されたバイオプシー
参考出品されたバイオプシー

マンモグラフィ専用のマンモVIEWER
マンモグラフィ専用のマンモVIEWER
デザインにもこだわったFAZONE CB
デザインにもこだわったFAZONE CB

●データを統合,連携する「SYNAPSE」のITソリューション

  近年,国内の年間販売実績が最も多いPACSが富士フイルムの「SYNAPSE」である。医療機関のフィルムレス化や医療機関同士の地域連携が進む中,シリーズのラインナップを広げており,循環器部門システム,内視鏡・病理・超音波部門システム,3D画像処理ワークステーションなど,PACSと連携する製品が増え続けている。今回の展示では,「連携,統合,そして新たな診療価値へ。」をキャッチコピーに,製品群を組み合わせた“Clinical Information System”としてPRを行った。その核となる「SYNAPSE Enterprise PACS」は新バージョンで登場。各検査画像やレポートなどデータを一元的に時系列に管理できる「SYNAPSE SCOPE」も,出品された。

  3D画像処理ワークステーションでは,「SYNAPSE VINCENT」のデモンストレーションが来場者の関心を呼んでいた。デジタルカメラの顔認識に代表される富士フイルムの画像処理技術“Image Intelligence”を採用した同製品は,発表以来,後発メーカーながら順調に販売台数を増やし医療現場からの評価も高い。これまではスタンドアローンタイプが中心であったが,今回のITEMでは,サーバタイプを大々的に紹介していた。サーバで画像処理を行い,それを施設内各所に高速配信するのが特長である。

  また,循環器部門システム「SYNAPSE CardioVascular」は,血管撮影装置や超音波装置の動画像,計測データなどを一元的に管理する。画像の取り込みやレポート作成までを効率的に行える。さらに,レポート作成は検査種類ごとに豊富なテンプレートがある点も利便性が高い。

 

3D画像処理ワークステーションのSYNAPSE VINCENT
3D画像処理ワークステーションのSYNAPSE VINCENT

循環器部門システムのSYNAPSE CardioVascular
循環器部門システムのSYNAPSE CardioVascular


  内視鏡・超音波・病理部門システムの「NEXUS」も今回は新バージョンが登場した。もともと他社のシステムであった「NEXUS」だが,改良を行い,SYNAPSEとの親和性を高めている。また,画面レイアウトをワークフローに沿ったものに変更し,直感的な操作が行えるようになった。

  症例データベースシステムの「SYAPSE Case DB」は,産学連携セミナーでも紹介された。施設内の症例を活用して,レポートを編集して画像とともに公開できる。データベースの画像をクリックするとSYNAPSEの画像が展開する。医学書を2冊も搭載しており,参照することが可能だ。このほか,院内で発生する非DICOM画像や書類などを統合的に管理する「Yahgee」も出品された。大学病院なども多く採用されており,研究用にデータを抽出したり,電子カルテシステムとも連携する。

  地域医療連携ソリューションとしては,病院と画像診断センター間をオンラインで結び遠隔画像診断を行う「SYNAPSE Teleradiology」や診療所からの検査予約などが可能な「C@RNA Connect」を紹介していた。

 

内視鏡・超音波・病理部門システムのNEXUS
内視鏡・超音波・病理部門システムのNEXUS

症例データベースシステムのSYAPSE Case DB
症例データベースシステムのSYAPSE Case DB


画像や書類を一元的に管理するYahgee
画像や書類を一元的に管理するYahgee
検査予約などが可能な診療所向けのC@RNA Connect
検査予約などが可能な診療所向けのC@RNA Connect

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