展示の主力の1つとなったDRは,「DRが変わる。FUJIFILMが変える。」をキャッチコピーにした展示が行われた。その中でも目玉となったのが,ITEM 2010直前の4月8日に発表されたカセッテサイズの新型DR「FUJIFILM DR CALNEO C」である。
新製品は,厚さ14mm,重さ2.8kgと,カセッテサイズのFPD搭載DRにおいて,世界最薄・最軽量となる。FPDは富士フイルムが開発したISS方式を採用した間接変換方式で,高いX線変換効率を持つ。画像処理技術「Image Intelligence」との組み合わせにより,低線量の撮影でも高画質を実現する。また,CR用IPカセッテの半切サイズと同じ大きさにしたため,すでに導入ずみの立位,臥位の撮影装置で撮影が行えるなど,資産を無駄にせず,コストを抑えて導入できる。これは,撮影者がフィルムカセッテと同様に扱えるという点でもメリットだと言えるだろう。さらに,コンソールの「Console Advance」は,FCRと兼用できる。施設にFCRを順次DRへと更新していくようなケースなどで,利便性が高い。CALNEOシリーズは,2009年の9月に立位タイプの「FUJIFILM DR CALNEO U」が発表されてから,臥位タイプ,車載向けなど,ラインナップを拡充しており,今後もシリーズ展開を広げていくという。
このほか,DRでは,CALNEOシリーズの上位ラインである直接変換方式FPDを搭載した「FUJIFILM DR BENEO」も改良を図った。今回のITEMでは,長尺撮影に対応しており,さらに検査の適応が広がった。また,デジタルマンモグラフィの「AMULET」もコンソール「AWS」のモニタに5Mピクセルの高精細モニタを奢るなど,ブラッシュアップしている。モニタ変更や過去画像との比較表示などにより,診療放射線技師が撮影画像を支援し,正確な検査施行が行える。また,マンモグラフィ用の読影ビューワ「マンモVIEWER」や,参考出品としてAMULETと組み合わせるバイオプシーも紹介していた。
DRコーナーの一角には,超音波装置のコーナーも設けられた。2006年後半に超音波装置に参入した富士フイルムは,独自の“ZONE Sonography”技術を搭載した製品をコンスタントに市場に送り出している。今回は,今年5月に発表が予定されている「FAZONE CB」を出品した。ポータブルタイプの同装置は重量が4kg。内蔵バッテリでは1時間駆動する。患者さんの目に触れることを意識して,光沢のあるパールホワイト塗装がされている。12.1インチ型液晶と大型ボタンで扱いやすい。病院でのベッドサイドや設置場所が限られた診療所などでの使用が考えられるという。 |