ITEM2022 ソシオネクスト ブースレポート
独自開発のLSIを搭載したワイヤレスハンドヘルド型超音波画像診断装置「viewphii-US」や開発中の次世代LSIの性能をアピール
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2022-5-2
ソシオネクストブース
昨年に引き続き,ITEMには2回目の出展となるソシオネクストは,2020年1月に発売したワイヤレスハンドヘルド型超音波画像診断装置「viewphii-US」を展示した。ソシオネクストは,2015年に富士通の子会社である富士通セミコンダクターとパナソニックのシステムLSI事業の統合により設立され,SoC(System-on-Chip)の設計・開発,販売をグローバルに展開している。viewphii-USは,ソシオネクストが信号処理・画像処理用の半導体開発で長年蓄積した技術を,医療分野向けに応用した初のデバイスとなる。
viewphii-USは,同社が独自に開発した3種類のLSI(半導体)をプローブに搭載し,タブレットとWi-Fi接続でつながっている。LSIは,超音波を発生する素子を同時に32チャンネル駆動する「パルサLSI」,体内から反射して戻ってくる音波から超音波画像を生成するために32チャンネルの音波を同時に受信して微弱信号を増幅し,アナログ・デジタル変換や整相加算,ビーム処理などを行う「超音波画像生成LSI」,そしてこれら2つのLSIとシステム全体を制御する「システム制御LSI」の3種類。超音波診断装置に必要な主要機能をこれらのLSIに内蔵したことで,プローブ重量をバッテリーを含め165gと軽量化し,ポータビリティを実現した。また,高性能のバッテリーで連続3時間以上の長時間動作を可能にし,検査者が安心して持ち歩けるほか,ケーブルレスのため,プローブカバーなどを使用することで清潔野を保ったまま操作できる。さらに,ポータビリティを優先しつつ高画質も実現し,主にベッドサイドでのプライマリーチェックや救急医療,遠隔医療などでの活用されている。
プローブは7.5MHzリニアプローブ「VP-US L75-01」と3.5MHzコンベックスプローブ「VP-US L35-01」の2種類で,各プローブとタブレット,あるいは2種のプローブとタブレットの組み合わせで提供する。血管や軟部組織の描出,神経ブロック,腹部観察などのさまざまなニーズに対応可能である。
そのほかに,次世代LSI“viewphii64”や,同LSIを搭載した新ワイヤレス超音波プローブの試作機について参考展示を行った。viewphii64は,超音波振動子の64素子を同時駆動する新パルサLSIと,パルサLSIからの微弱信号を受信して増幅し,アナログ・デジタル変換,整相加算を行うビームフォーマー機能や,超音波画像生成機能,システム全体制御機能を備えた新超音波画像生成LSIの2種類の専用LSI。viewphii-USの性能・機能を大幅に上回る64チャンネルのワイヤレス超音波プローブシステムを,わずか2種類のLSIだけで実現する。さらに,従来と同等の低消費電力を維持しつつ小型化を進め,ハーモニックイメージングや空間コンパウンドなどにも拡張対応し,より高精細な画像の描出を可能とする。プローブはより高性能なものを含む4種類をラインアップし,2022年秋以降に上市の予定で開発を進めている。
●お問い合わせ先
社名:株式会社ソシオネクスト
住所:神奈川県横浜市港北区新横浜2-10-23
野村不動産新横浜ビル
TEL:045-568-1000(大代表)
URL:https://viewphii.com/