ITEM2019 ジェイマックシステム ブースレポート 
創立30周年を迎え,「医療安全対策」と「業務の効率化」をテーマに,AI技術など4カテゴリに分け多様なソリューションを展示


2019-4-23


ジェイマックシステムブース

ジェイマックシステムブース

ジェイマックシステムは,1989年に設立。2019年に30周年を迎える。メモリアルイヤーとなった今回,ブースでは「医療安全対策」と「業務の効率化」を展示のテーマに,Imaging Solution(Cloud PACS/Viewer/Report),IT Solution(RIS/線量管理/RTIS),遠隔読影Solution(遠隔読影支援,学会支援),AI技術展示〔胸部CT肺結節検出支援システム(W.I.P.)〕と4つのカテゴリに分けて,さまざまなソリューションをアピールした。

●注目を集める線量管理を中心に医療安全に資するソリューションを提案

2018年度の診療報酬改定で「画像診断管理加算3」の施設基準に線量管理・線量記録が明記されたことや,2020年の4月から線量管理・線量記録が義務化されることを受け,医療機関では線量管理が注目を集めている。
ジェイマックシステムではこのような背景の下,今回のブースでは「医療安全対策」の中でも「線量管理」を1つのキーワードとして打ち出した。具体的には放射線部門業務支援システム「ACTRIS」に搭載されている“線量管理オプション”がブラッシュアップされ,新たにリリースした“DoseChecker”を大々的に取り上げた。DoseCheckerは,DICOM RDSRを収集し,さまざまな分析や評価,または比較などを可能にするソフトウエア。自施設の線量を部位ごとに箱ひげ図や散布図で表示するなど,直感的かつ容易な分析が可能となるほか,集計結果をDRLs 2015と比較することができる。これまではACTRISのオプションとして機能の一部が展開されていたが,今回は製品版としてワークステーションの中に組み込んで提供するスタンドアロンタイプ,PACS/QA(検像)サーバのオプション機能の3パターンから採用方法が選択できるようになっている。
また,画像診断報告書の見落としが社会的な問題としてニュースで取り上げられている状況を受け,読影レポートシステム「LUCID」に搭載される“レポート見落とし防止管理機能”もPRした。この機能は,依頼部位以外の病変など見落としやすい所見や,緊急を要する所見などがあった場合,診療科の医師の確実なチェックを促す。読影医が特に注意を要する所見があると判断した際に,レポートシステムの起動と併せてコメントをアラート表示させることができる。診療科の医師がレポートの参照後,チェック済みボタンをクリックすることで管理者のデータベースにチェック済みリストとして登録され,レポートの未読者を一覧表示で確認できる。この情報は要確認のレポートがあることを電子カルテにフィードバックすることもできるため,院内全体でレポート確認の徹底を推進でき,医療安全に寄与する。

DoseCheckerのリスト画面。DRLs 2015との比較も容易

DoseCheckerのリスト画面。DRLs 2015との比較も容易

 

箱ひげ図で直感的な線量評価が可能

箱ひげ図で直感的な線量評価が可能

 

レポート見落とし防止管理機能では,起動時に注意喚起コメントを表示

レポート見落とし防止管理機能では,起動時に注意喚起コメントを表示

 

画面右上のチェック欄をクリックすると,管理者のデータベースにレポート確認済みとして登録

画面右上のチェック欄をクリックすると,管理者のデータベースにレポート確認済みとして登録

 

●作業負担を軽減し,業務の効率化を実現するソリューションを紹介

業務の効率化では,統合画像ビューワ「XTREK VIEW」のマルチモダリティ対応フュージョンソフトウエアである“FUSION Plus”(オプション)が展示された。FUSION Plusは,PET/CTだけでなく,異なるモダリティのボリュームデータのフュージョンや,検査画像の自動的な位置合わせが特長。前回のITEMではFUSION Plusに,SUVや体積,TLG計測をするために設定する閾値VOIの記録・呼び出し機能が実装されたが,今回は新たに“PERCIST機能”の実装がアナウンスされた。PERCIST機能は,肝臓の右葉をVOIで囲むと,自動的にノイズが少ない箇所を抽出した球形のVOIが置かれ,PET Response Criteria in Solid Tumors(PERCIST)の規格に沿った治療効果判定結果が瞬時に表示される。また,規格に沿った撮影条件で検査が行われたかが表示される機能もついているため,国際基準に沿った治療効果判定の評価が容易に行えるようになる。この結果をキャプチャし,電子カルテで表示することで院内で治療判定結果を共有することができる。
このほかXTREK VIEWなどを搭載した豊富なオプションが特長のクラウド環境での医用画像運用をサポートするクラウドPACSソリューション「XTREK F.E.S.T.A」の展示も行われた。PACSでは,データ管理の容易さ・安全性のほか,災害対策などの観点から,クラウド環境での運用に関心が集まっており,XTREK F.E.S.T.Aの引き合いも多いという。

FUSION PlusのにおけるPERCIST機能。VOIを指定すれば自動的に結果が表示される。

FUSION PlusのにおけるPERCIST機能。VOIを指定すれば自動的に結果が表示される。

 

クラウドPACSソリューションXTREK F.E.S.T.A

クラウドPACSソリューションXTREK F.E.S.T.A

 

●遠隔読影を事業の柱とした関連会社の国内外における事業実績を展示

遠隔読影ソリューションでは,関連会社のイーサイトヘルスケアの遠隔読影サービスの概要説明が行われた。イーサイトヘルスケアは,読影医と依頼施設の遠隔読影をサポートする「クラウド型遠隔読影ASPサービス」を展開している。クラウド型遠隔読影ASPサービスは,クラウド上で遠隔読影を行うため,設備投資を大幅に抑えることができ,端末にデータをダウンロードする必要がないため,レスポンスやセキュリティといった面でも従来のシステムより優れている。イーサイトヘルスケアではこの仕組みを活用し,学会や研究会の抄録の電子化や,電子抄録上でのDICOM画像の確認などのサービスも提供している。また,症例メール配信サービス「画像診断ケーススタディCase One」でも同様の仕組みで,毎週症例の診断所見の記載とDICOM画像を確認できるメール配信が行われている。診療放射線技師を対象とした,撮影技術の向上を目的とした同様のサービスも開始された。さらに,イーサイトヘルスケアでは海外展開での遠隔読影サービスも積極的に推進している。2016年には「医療技術等国際展開推進事業プロジェクト(NCGMプロジェクト)」にも採択され,ベトナムの5施設と連携しているほか,現在インドネシアにもサービスの拡充を図っている。

イーサイトヘルスケアの遠隔読影事業は今後インドネシアにも拡張予定

イーサイトヘルスケアの遠隔読影事業は今後インドネシアにも拡張予定

●AIを活用した肺結節病変の検出機能

AIの技術展示として,現在薬機法承認をめざし開発を進めている,東京大学医学部附属病院との共同研究プロジェクトである“CIRCUS”のエンジンを利用した胸部CT肺結節検出支援システム(W.I.P.)のデモンストレーションが行われた。CIRCUS(Clinical Infrastructure for Radiologic Communication of United Solutions)は,東京大学医学部附属病院が開発したAIプラットフォーム。展示では,レポートシステムLUCIDにCIRCUSを組み込み,機械学習をベースにしたデータから肺結節病変を抽出する機能の説明が行われた。また,岐阜大学と共同研究を進めている深層学習を利用した多臓器自動検出技術についても紹介された。

AI技術展示(W.I.P.)のCIRCUSを用いた肺結節病変抽出画面

AI技術展示(W.I.P.)のCIRCUSを用いた肺結節病変抽出画面

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社ジェイマックシステム
住所:〒060-0034 札幌市中央区北4条東1丁目2-3 札幌フコク生命ビル10F
TEL:011-221-6262
E-mail:sales@j-mac.co.jp
URL:http://www.j-mac.co.jp/


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