ITEM2018 イーメディカル東京 ブースレポート
アップグレードした磁性体センサーやMRI室対応LED照明で,安心・安全な検査環境を提案
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2018-5-1
イーメディカル東京ブース
イーメディカル東京は,MRIに吸着する可能性のある磁性体のみを高精度に検出するゲート型磁性体センターや,MRI検査室・循環器X線検査室で活躍するLED照明のラインナップを紹介した。安全な検査環境の確保やランニングコストの軽減が可能になることで,被検者とスタッフに安心な医療環境構築の重要性をアピールした。
●より軽微な磁性体金属の検知が可能になった「New magfhy II」
New magfhy IIは,MRIの吸着事故を防止するための磁性体センサー。MRI検査室の入室前にMRIへ吸着する可能性のある磁性体だけを高性能に検知する。外寸1557mm(高さ)×120(幅)×210mm(奥行き)というスリムデザインの2本柱で構成。柱の間隔は内寸で1550mmまでの幅で設置でき,MRI検査室入口に省スペースで設置が可能となっている。
New magfhy IIの特徴の一つである“ベクトル検知”機能はこのたび,特許を取得した。磁性体の移動する方向や大きさを演算して磁性体を検知することができる。重篤な吸着事故につながる点滴スタンドなどの検知に加え,軽微な小物金属をも逃さずに検知する2チャンネルの設定回路とスクリーニングマットが追加された。2チャンネルの通過磁性体感度スイッチは柱に内蔵され,それぞれ10段階で調整できるロータリースイッチで,管理責任者などの施設スタッフが環境や運用状況に応じて容易に変更することが可能である。柱にチャンネル調整の早見表シールを貼り付けることで,調整するたびにマニュアルなどを探すというような煩わしさを軽減。また,スクリーニングマットは,2本柱の間のどちらか一方の柱近くに設置する。マットの上に立ち,マットに描かれた矢印に従って1回転することで,より軽微な磁性体金属を検知する。被検者だけではなく,忙しいために医療スタッフでも,つい外すのを忘れてしまいがちなスマートフォンやロッカーなどの小さな鍵,はさみ,カッターといった磁性体金属を逃さず検知する。
磁性体センサーは,センサー周辺にあってもMRI検査には影響しない動く磁性体(環境ノイズ)にまで反応してしまう場合がある。New magfhy IIは,設置した施設の環境ノイズパターンをアルゴリズムによって学習する抑制機構により警報レベルの微調整を可能にしたため,軽微な磁性体金属を高性能に検知しながら,検査に影響しない場合は通知しないようにできる。
さらに,New magfhy IIには,専用の非磁性体機器のラインアップとして,車椅子「EMK-200」,点滴スタンド「EMT-T400」,ストレッチャー「MES-100」の3種類を用意。MRI検査室でも安心して利用でき,被検者や医療スタッフの負担軽減にも貢献する。
●国内トップシェアを達成したMRI室対応LED照明「mag luminance」
MRI検査室対応LED照明のmag luminanceは,電磁波ノイズを低減するという特長が評価を得て,発売から3年で業界シェア50%を超えた。ストレート直付け,ストレート埋め込み,ダウンライト,ブラケット,スポットライトの5タイプをラインアップ。シンプルなデザインで,施設ごとの仕様に応じた照明の設計ができる。低ノイズかつ高光束で,全タイプで調光が可能。入室時や清掃時などでは明るく,検査中は落ち着いた照度にするなど,MRI検査室の使用状況に合わせ最適な調光を行える。さらに,1灯の光束を大きくすることによって,設置台数を減らしながらも明るさの確保を実現。1台の電源装置で6灯まで接続できることも特長の一つで,4万時間という長寿命設計によって,低コスト・省スペースを両立している。
ライフサイクルが長いため交換頻度が大幅に減少し,照明交換時の吸着事故リスクの軽減に寄与する。さらに,埋え込みタイプでは,一般的な照明の約半分の奥行きで設置が可能なため,MRIの更新時などにおいて,シールドやダクトといった天井内の設備状態にかかわらず配置できる。また,LED照明自体の低消費電力と発熱などによる空調電力の消費も発生せず,運用コストの削減にまで寄与することが可能となっている。
●循環器X線検査室用の高輝度LED照明「Cate-X」
新発売となったCate-X(カテックス)は,mag luminanceシリーズの循環器X線検査室に対応した高輝度LED照明である。生体モニタなどのME機器に影響のない低ノイズ電源で,演色評価数Ra90の高演色の素子を採用している。集光用特殊レンズにより高照度を実現。ITEM会場の展示では,天井高さ3m,2器具配列した場合の検査室環境を体感でき,寝台の高さでの照度は1万7000luxを超えていた。
Cate-Xは,mag luminance同様に調光が可能。切開からカテーテル挿入までは術者の手元を高照度で照らし,挿入後はモニタに集中できる明るさに調整することができる。天井に埋め込める薄型設計になっており,天井走行式血管撮影装置のレールが干渉せず,レール枠内への設置も可能である。
同社では,このほかにもステントなど体内深部の金属を探知する高感度ハンディー型金属探知器「PD140N/PD240C」などを紹介し,MRI検査の安全で安心な管理・運用を提案した。
●お問い合わせ先
社名:株式会社イーメディカル東京
住所:東京都中央区銀座7丁目15-5(共同ビル2階)
TEL:03-3542-3588
URL:http://www.emedicaltokyo.co.jp/