ITEM2018 キヤノンメディカルシステムズ 取材速報
Healthcare ITと高精細・高画質をキーワードに“ワン・キヤノン”の技術力をアピール
- INFORMATION
- coverage
- REPORT
2018-4-15
キヤノンメディカルシステムズブース。
通路を挟んで2つのスペースを使って展示
2018年1月4日に社名変更したキヤノンメディカルシステムズは,新社名での初めてのITEMの展示となった。キヤノングループのメディカル関連の5社が一堂に会したブースは,通路を挟んで2つの島で構成され展示面積1000m2と展示会場の1/9を占める広大なものとなった。初日に行われた次世代Angioシステム「Alphenix」の新製品発表会で挨拶した代表取締役社長の瀧口登志夫氏はITEM2018の展示について,「今回の展示は,“Together, we make it possible”のスローガンの下,ワンキヤノンとしてキヤノングループが一体となってメディカル事業を推進する体制をアピールするものとなっている。展示では,高精細・高画質をキーワードにしたモダリティやソリューション,人工知能(AI)を応用した新技術,そしてキヤノングループ連携によるシナジーの成果にも注目していただきたい」とコメントした。
今回,展示ブース内の中心に位置し,また新しいキヤノンのメディカル事業の中核として位置づけられたのがHealthcare IT(HIT)である。HITは医療情報ソリューション「Abiertoシリーズ」として,情報の統合(Connection)のための「Abierto VNA」,情報の共有,分析(Vision)を行うための「Abierto Cockpit」,そして情報の利活用(Intelligence)として人工知能(AI)を活用したさまざまな診療支援のシステムで展示を構成した。AIの活用では,ITEM直前にリリースされたエヌビディアと提携した“Deep Learning学習環境”(W.I.P.)を紹介,そのほか経時差分データから骨転移の解析を行う“Bone Subtraction Analysis”など参考展示(W.I.P.)ながら多くの技術を紹介し,キヤノンメディカルとしてHITへの注力と積み重ねてきた高い技術力を改めて強くアピールした。
路挟んだワンブロックすべて使ったCTコーナーでは,ITEM前(4月10日)にリリースがあったAIを用いて設計したCT再構成技術「AiCE(Advanced Intelligent Clear-IQ Engine:エース)」をアピールした。AiCEでは,ディープラーニング技術を使ってMBIR(FIRST)をターゲットにした学習を行うことで,短時間でノイズ低減や画質低減が期待できる。装置としては,昨年のITEM2017で発表した高精細CT「Aquilion Precision」,80列マルチスライスCT「Aquilion Prime SP」などを並べて展示し,豊富なラインアップで臨床ニーズに応えられることをアピールした。
MRでは,やはりITEM直前(4月11日)に発表された1.5Tの新製品「Vantage Orian」を大きくフィーチャーした。Vantage Orianは,3T MRI「Vantage Galan 3T」の“PURERF Tx”,“PURERF Rx”などの高画質化の技術を適用し,さらに高分解能化を実現する“PUREGradient”を搭載することで高い描出能を実現している。そのほか,熊本大学,ボルドー大学との共同研究が進められているMR画像のDeep Learning Reconstruction(DLR,W.I.P.)についても紹介した。
XRでは,初日に記者発表会を行った次世代Angioシステム「Alphenix」シリーズが展示され注目を集めた。画像処理のイメージングチェーンを見直すことで,ダイナミックレンジが従来の16倍に拡大し白飛びやハレーションが大幅に抑制できるほか,高画質によるコーンビームCT“AlphaCT”が可能になった。また,Alphenixでは新開発のピクセルサイズ76μmの高精細検出器「Alphenix Hi-Def Detector」によって,従来の画像とはまったく異なる精細なアンギオ画像の描出が可能になる。そのほか,乳房診断に関するソリューションを集めて展示したBreast Solutionのコーナーでは,トモシンセシスに対応した新しいマンモグラフィ「Pe・ru・ru LaPlus」,マンモビューワの「Rapideye Saqura」を展示。一般撮影では,オートポジショニング機構を搭載した「RADREX DRite」,DR「CXDI-710C Wireless」「CXDI-810C Wireless」などを出展した。
超音波診断装置では,新たなハイエンドシリーズとして「Aplio a-series」,最大8時間のバッテリー稼働が可能なミドルクラスの新シリーズ「Xario g-series」を出展。「Aplio a550」「Aplio a450」の2機種が登場したAplio a-seriesは,Aplio i-seriesの高性能なビームフォーミング技術を受け継ぎ,高精細なBモード画像をベースにSMIや各種のエラストグラフィなど豊富なアプリケーションが利用できる。
●お問い合わせ先
社名:キヤノンメディカルシステムズ株式会社
住所:栃木県大田原市下石上1385番地
TEL:0287-26-5100
URL:https://jp.medical.canon/