ITEM2017 バルコ ブースレポート
臨床現場に近い環境で製品のパフォーマンスを体験可能なブースを展開し,新製品を中心に豊富なラインナップをアピール
- INFORMATION
- 取材速報
- report
2017-5-10
バルコブース
バルコは昨年に引き続き,ブース全体を診断用画像表示ディスプレイと外科用画像表示ディスプレイの大きく2つに分けてブースを展開した。診断用画像表示ディスプレイでは,新製品のデジタルマンモグラフィ画像表示用カラーディスプレイ「Nio Color 5.8MP」や多目的カラー液晶ディスプレイ「MDRC-1219 / 1219 TS」,Coronisシリーズのフラッグシップモデルである「Coronis Uniti」などを豊富にラインナップ。読影室を模したコーナーでは,Nio Color 5.8MP とCoronis Unitiが並べて展示され,同等の画質での表示が可能なことがアピールされたほか,画像観察ワークフローサポートツール“Intuitive Workflow tools”を,実際の読影室に近い環境で体験できるようになっていた。また,ハイブリッドオペ室を模したサージカルソリューションコーナーでは,非圧縮画像伝送ソリューション「Nexxis」のデモンストレーションが行われ,4K画像に対応した手術室用の大型ディスプレイ「MDSC-8231」「MDSC-8255」などがアピールされた。
●ハイエンドモデルと同等の機能を備えるデジタルマンモグラフィ用ディスプレイの新製品「Nio Color 5.8MP」
Nio Color 5.8MPは,バルコが独自に設計した世界初の5.8メガピクセルカラー液晶パネルを採用したデジタルマンモグラフィ画像表示用ディスプレイで,標準的な5MPを超える高解像度を有している。マンモグラフィの読影はモニタ2面構成で行うことが一般的であり,かつ近年ではさまざまなモダリティの画像を同時に観察できる読影環境の構築が求められているが,そうしたニーズに応えて開発された。同社のハイエンド製品である「Coronis Uniti」に実装された同社独自のカラー階調補正技術 “Steady Color”を搭載したことでリニアカラー表示とグレースケール表示を両立し,診断画像ごとの適切な階調表示が可能であり,デジタルマンモグラフィやトモシンセシスなどのモノクロ画像と,超音波,MRI,病理といったカラー画像を1画面で同時に観察することができる。さらに,Intuitive Workflow toolsのいくつかの機能に対応しており,ワークフローの向上に貢献する。
ディスプレイ本体については,最新設計の前面保護カバーの採用により低反射コーティングが改善し,画面が非常に見やすくなっているほか,LEDバックライトの効率化を図り,キャリブレーション推奨輝度50cd/m2を5年間または4万時間保証する。また,2面構成での読影が行いやすいよう,従来よりベゼル幅が狭くなっている。
|
●広視野角IPSパネルとLEDバックライトを採用した多目的カラー液晶ディスプレイの新製品「MDRC-1219 / 1219 TS」
MDRC-1219は,多目的な用途で使用可能な 1MPカラー液晶ディスプレイの最新機種。医用画像ディスプレイと同等の高画質を実現しつつ,電子カルテやRISの端末などとして,院内で幅広く活用することができる。広視野角のIPSパネルに加え,従来はCCFL(蛍光球)を使っていたバックライトにLEDを導入したことで輝度寿命が向上したほか,キャリブレーション推奨輝度も250cd/m2と従来製品と比較して約38%向上したことで,明るい室内でもより画面が見やすくなった。また,平面化したスタンドと薄型の筐体を採用したことで,スタンドを含めて重量5.3kgと,従来製品から約39%の軽量化を実現した。なお,MDRC-1219には,タッチパネル機能を搭載したMDRC-1219 TSもラインナップされている。
|
●マルチモダリティのカラー・モノクロ画像表示が可能な高性能ディスプレイ「Coronis Uniti」
Coronis Unitiは,バルコ社製診断用画像表示ディスプレイの中でもハイエンドクラスに位置づけられている33インチの大型ディスプレイ。12メガピクセルの高解像度と常用輝度1000cd/m2という高輝度性能を備え,Steady Colorによりリニアカラー表示とグレースケール表示を両立したことで,高精細なモノクロマンモグラフィ画像も含めたマルチモダリティの画像を1台で表示することができる。また,Intuitive Workflow toolsのすべてのアプリケーションに対応しており,今回の展示では,読影室を模したコーナーで各機能の有用性がアピールされた。Coronisシリーズとしてはほかに,「Coronis Fusion 6MP LED」,「Coronis Fusion 4MP」が展示された。
・Intuitive Workflow toolsの主な機能
“DimView”は,マウスカーソルの位置を自動で判別し,操作していない部分のディスプレイの明るさを抑制する機能。Coronis Unitiの場合,常用輝度が1000cd/m2となっており,レポートやカルテの参照時はユーザーの目の負担が大きいが,DimViewにより常用輝度を最低250cd/m2まで下げることで疲れ目を軽減する。
“Application Appearance Manager”は表示輝度や階調特性をアプリケーション単位で自動で切り替える機能で,表示内容に合わせた最適な画面表示が可能となる。輝度などの設定は事前に行う必要があるが,ディスプレイ導入時に,各施設の使用環境などを確認して同社にて設定を行うため,ユーザー自らが輝度を設定する手間を省いている。
“I-Luminate”は画面輝度を一時的に最大輝度まで引き上げる機能。微細な病変の観察を行いやすくするほか,Coronis Unitiでは,付属のフィルムクリップで単純X線写真などのフィルムをディスプレイ上に固定することで,簡易的なシャウカンステンとして使うこともできる。
“Conference CloneView”は,カンファレンス支援機能で,医用画像表示ディスプレイで表示した画像などを,カンファレンスルームのプロジェクタなどに適切な画角・解像度でクローン表示することができる。これにより,画像情報をスムーズに共有できるようになり,カンファレンスの効率化をサポートする。
このほか,指定した関心領域のみを高コントラストで強調表示する“Spot View”機能や,マウスカーソル周辺の色を変えることで位置をわかりやすくする“FindCursor”などの機能が搭載されている。
Intuitive Workflow toolsは,機種ごとに使用できる機能の制限はあるものの,バルコ社製の診断用画像表示ディスプレイ全機種に対応する。
|
|
|
|
|
●サージカルコーナーでは非圧縮画像伝送ソリューション「Nexxis」と4Kディスプレイをアピール
Nexxisは,手術室内のさまざまな画像/映像信号をIP変換して一元管理することが可能なソリューション。ビデオデータをIPネットワークにエンコード/デコードするアダプタ,10Gbpsネットワークスイッチャ,管理ソフトウエア,手術用ディスプレイで構成されている。従来,アナログケーブルでの信号伝送では,内視鏡下手術など映像信号を圧縮変換してからディスプレイに送信するため,表示される映像に若干の遅延が生じるという問題があった。しかし,Nexxisは,IP信号の送信を行うケーブルに光ファイバーを採用して転送速度を速め,広帯域の10Gbps IPネットワークを使用することで映像/画像データを圧縮・遅延なしでディスプレイに送信し,リアルタイムでの表示を可能とした。これにより,内視鏡下手術などにおける安全性が向上する。
また,Nexxisとの連携が可能な4K画像表示対応の外科用画像表示ディスプレイとして,31インチの「MDSC-8231」と,55インチの「MDSC-8255」が展示された。MDSC-8255は,55インチの大型モニタでありながら,薄型の筐体設計により重量を24kgに軽量化しており,壁面への設置が容易となっている。画像表示はもとよりカンファレンスにも対応しており,Nexxisと組み合わせて使用することで,さまざまな情報を1つの画面で管理できるため,ワークフローの改善が期待できる。
|
|
|
●お問い合わせ先
バルコ株式会社
住所:大田区平和島 5-1-1-8F
TEL:03-5762-8720
URL:www.barcohealthcare.jp