富士通,「地域医療ネットワークの拡充へ」と「医療に役立つ情報を収集,蓄積,活用する時代へ」のためのソリューションをPR
2013-7-18
富士通ブース
富士通 は,メインステージにおいて「地域医療ネットワークの拡充へ」と「医療に役立つ情報を収集,蓄積,活用する時代へ」という2つのテーマでプレゼンテーションを行った。その内容は,同社の医療情報システムの開発の歴史を振り返った上で,「地域医療ネットワークの拡充へ」として,「HOPE/地域連携」や「HumanBridge」といったこれまでの地域医療ネットワークシステムを紹介。その上で,医介連携や在宅診療の充実化を図るための新製品として,タブレットを用いて多職種連携を促進する「HumanBrigde EHRソリューション在宅ケアSNS(仮称)」をPRした。
一方で,電子カルテシステム導入が全国的に進んでいない状況を踏まえ,より低コストで,容易に導入できるSaaS型電子カルテシステムの提供も発表した。これは,中堅規模クラスの「HOPE/EGMAIN-LX」をSaaS型としたもので,今年度中に提供が開始される予定である。
さらに,こうした医療情報システムの今後の展開として,蓄積されたビッグデータを活用したCDSS(Clinical Decision Support System)の提供や製薬企業向けソリューションとの連携による治験プロセスの効率化,再生医療の研究支援などを来場者にアピールした。
新製品として紹介されたHumanBrigde EHRソリューション在宅ケアSNS(仮称)は,訪問看護師や訪問介護員などが,患者宅を訪問した際に,iPadなどのタブレットから患者の状態をタイムライン入力するというもの。疾患に応じたバイタル情報や観察記録,画像などをタイムライン上にアップして,情報共有を図る。同社では,年内の提供開始を予定している。
タブレットを用いたソリューションとしては,昨年参考出品された「HOPE Pocket Chart」が製品版として展示された。院内・院外からタブレットで「HOPE EGMAIN-GX」の情報を参照することができる。CT・MRIなどの画像も表示できるほか,カウンターサイン,代行承認なども可能。今後は,看護業務におけるバイタル入力や3点認証などの機能も搭載する予定である。
PACS関連では,HOPE/EGMAIN-LXのオプションとして「生体・画像オプション」を紹介した。これは,中・大規模病院向けのPACS「HOPE DrABLE-GX」の機能をオプションとして提供するもの。最小構成で400万円から提供される予定で,低コストで高機能PACSを使用でき,電子カルテシステムとも高い親和性を持つことから,更新ユーザーや今後フィルムレス化を図る施設にとって魅力的な製品となっている。
患者サービス向けのソリューションとしては,患者案内カード「NAVIT」が新たな電子ペーパーを採用し,第二世代へと移行した。NAVITは外来患者が携帯し,診察待ちの状況などを案内するもので,患者サービスだけでなく,病院側にとっても患者を捜す手間や呼び出し業務を省力化できる。通信には独自のプロトコールである「FBStar」を採用し,多数の患者に個別に情報を発信する。電子ペーパーは,週1回の充電で良いなど,低コストで運用できるのもメリットである。
企業向けには,健康診断支援システム「HOPE webH@ins-GX」のオプションや単体としても提供する予定の「富士通ストレスチェックシステム(仮称)」のデモを行った。これは従業員がストレスの状況をシステム上に入力することで,自ら確認ができるほか,企業側が集められたデータを基に組織内でのストレスの状態を把握できるというシステムである。