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医療法人社団弘基会 おおたか脳神経外科・内科
APERTO Lucentを活用して脳外科医としての長年の経験を生かした地域医療を展開
患者にやさしい,ていねいな治療を提供
2020-4-24
医療法人社団弘基会おおたか脳神経外科・内科は,2016年に東京都立川市で開業した。同クリニックの大高弘稔院長は,脳外科医としての長年の経験を生かし,地域に根ざした「かかりつけ医」としての役割を担いたいとの思いから,開業時よりMRIとCTを導入。MRIには,日立社製の永久磁石型0.4TオープンMRI「APERTO Lucent」を選定した。理想の医療の実現のために,APERTO Lucentをどのように活用しているか,大高院長と佐藤栄子技師にうかがった。
脳外科医としての経験を生かしたプライマリケアをめざし開業を決意
2016年に開業したおおたか脳神経外科・内科がある立川市は,東大和市,武蔵村山市,昭島市,国分寺市,国立市とともに構成される北多摩西部医療圏に属している。同クリニックの1日の来院患者数は約60人。西武拝島線と多摩都市モノレールが乗り入れる玉川上水駅から徒歩5分と交通の便が良いため,青梅市や福生市など,遠方からの患者も多く訪れる。
同クリニックの大高院長は,脳神経外科医として北里大学病院で9年,東大和病院で27年間勤務し,東大和病院では脳神経外科部長や病院長を務めた経験を持つ。開業を決めた理由について大高院長は,「これまで脳卒中や脳梗塞の患者さんを多く診察してきましたが,高血圧など,生活習慣病のコントロールで予防可能なケースも多いのではないかと考えていました。また,東大和病院では地域医療にも取り組み,近隣の開業医の先生とのつながりも深かったので,東大和市の近隣で開業し,プライマリケアを始めれば,地域の先生方とも連携しやすいと考えました」と振り返る。開業後は,脳梗塞の後遺症のフォローなど,東大和病院から継続して受診する患者も多いが,頭痛やめまいなどを主訴とした20〜30歳代の患者など,新規の患者が1日20人前後来院する日もあるという。また,近隣の企業からの依頼を中心に,脳ドックも行っている。
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画質とコストのバランスがとれた0.4TオープンMRI APERTO Lucentを導入
同クリニックは,日立社製のCTとMRI,超音波診断装置のほかに,ABI検査装置などをそろえている。開業当初からCTとMRIの両方を導入したことについて,大高院長は,「CTは外傷や緊急時の検査に適しているし,詳しい脳の検査にはMRIが必要です。検討の結果,コスト面での見通しがついたので,CTとMRIを両方導入しました」と話す。MRIには,永久磁石型0.4TオープンMRIのAPERTO Lucentを選定。その理由として,閉所恐怖症の患者でも対応可能なことや,コストと画質のバランス,静音性などを挙げる。
「東大和病院では,3Tの高磁場MRIも使用していましたが,開業後は頭痛やめまいなどの診察や,脳卒中のフォローアップなどが中心です。何かあれば東大和病院などの高磁場MRIを持つ施設に紹介することができますし,医療資源の適正な利用という観点からも,必要なスペックを満たしていれば,使い勝手が良い装置の方が望ましいと考えました」
実際に,拡散強調画像やMRAの画質は,スクリーニングとして行う検査には十分だと感じているという。大高院長は,「頭痛やめまいなど,一般的な症状の中に命にかかわるような疾患が隠れている可能性もあります。そのような疾患を見落とさずに診断するのは,脳外科医として長年治療に携わってきた自分の役割です。APERTO Lucentは0.4Tですが,スクリーニングやフォローアップには問題ないと考えており,実際に,軽度のクモ膜下出血や脳動脈解離などを発見した症例もあります。また,何らかの疾患の疑いがある場合は,CTを併用してその場で診断できれば,患者さんにも安心してもらえます」と話す。検査を担当する臨床検査技師の佐藤技師(上写真の中央)も,0.4Tにもかかわらず,拡散強調画像まで撮像できることに驚いたと,APERTO Lucentを高く評価している。
インターネットでオープンMRIを調べて来院する患者も
また,APERTO Lucentはシングルピラー構造を採用,広いオープン性を実現している。佐藤技師は,「閉所恐怖症のため,超電導MRIで検査できない方が,ほかの病院からの依頼で1年に10数人ほど来られますが,APERTO Lucentならほとんどの場合,無事に検査できます。また,なかには,“ホームページを見て,オープンMRIだったので来院した”という患者さんもいらっしゃいます」と,オープンタイプであることの意義は大きいと話す。また,シングルピラー構造のため,検査中に患者の様子を観察しやすいのもメリットだという。
さらに,APERTO Lucentの設置面積は4m×5mと小さく,MRIユニットを操作室内に設置することも可能である。また,頸部などの検査では,ガントリ内で横移動が可能なラテラルスライドテーブルも活用している。
■症例1:硬膜動静脈瘻
■症例2:左椎骨動脈解離
フットスイッチや“RADAR”の活用で高スループットを維持
同クリニックで1日に行うMRI検査数は,予約と当日を合わせて15,16件で,受診当日に検査が必要な場合は,MRIまたはCT検査を行い,その日のうちに結果説明までするようにしている。MRI検査では,MRAとT2強調画像,FLAIRをルーチンで行い,疑わしい疾患に応じて拡散強調画像やT2*強調画像などを追加で撮像する。1検査あたり,入室から退室までが20〜25分,T2*強調画像などの追加がある場合は30分程度で終了する。
同クリニックでは,MRIや超音波などの画像検査や一般臨床検査を2名(うち1名は非常勤)の臨床検査技師が分担して行っており,MRI撮像は通常1人で行っている。そのため,患者をケアしながらテーブルの移動,セッティングを行えるフットスイッチは重宝しているという。
さらに,APERTO Lucentには,モーションアーチファクトを低減するラディアルスキャン技術RADARが搭載されている。同クリニックでは通常,RADARを使用することは少ないが,患者が高齢であったり,体動の抑制が難しい場合などはRADARを使用している。佐藤技師は,「現在は30分刻みで予約が入っているため,3つのロッカーをフル回転させて検査を行っています。できるだけ再撮像を避けたいので,FLAIRの撮像中に体動があった場合,T2強調画像ではRADARを使用するなど,状況に応じて撮像を行っています」と述べる。
地域に根ざした「かかりつけ医」の役割を果たしたい
2020年5月で開業5年目を迎える同クリニックの今後の展望について,大高院長は次のように語る。
「脳外科医としての経験を生かしつつ,これまで通り,プライマリケアを重視し,地域に根ざしたかかりつけ医としての役割を担っていきたいと考えています。当クリニックでは,できるだけていねいな説明を心掛けており,特に脳ドックでは,20〜30分の説明時間を設けています。これからも,患者さんに喜んでもらえるような診療を行い,いずれは訪問診療や遠隔診療にも携わりたいですね」
APERTO Lucentを活用しながら,大高院長は,今後も地域医療に貢献していく。
(2020年2月6日取材)
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診療科目:脳神経外科・内科
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