CTブースでは,昨年のRSNAで会場の話題をさらった「Aquilion One」を中心に展示された。2008年11月現在で,すでに世界で71台,国内では14台が出荷されており,順調に実績を伸ばしている。また新たな展開として,ソフトウエアやワークステーションなどのパッケージに応じて3種類の価格帯が用意され,さらなる普及の促進が期待される。製品そのものの大きな変更点としては,従来は縦方向の移動のみだった寝台が,横手方向にも移動可能となった(日本国内薬事未承認)。これにより,患者さんを動かすことなく,FOVの中心に心臓をポジショニングできるようになり,検査効率と画質の向上に貢献する。
さらに,新たなアプリケーションとして,冠動脈狭窄と心筋パーフュージョンとの相関を評価する「Myocardial Perfusion」,Aquilion Oneの等時相性を生かして明瞭なコントラストを実現する「Body Perfusion」,面の撮影を行うことで,ヘリカル撮影で課題となっていたXYZ軸のズレのないデュアルエナジー撮影が可能な「Volume Dual Energy」が紹介された。中でも,Myocardial Perfusionについては,心臓CTの有用性を探る国際的多施設合同臨床試験CorE320の標準プロトコールとして採用され,冠動脈の評価および心筋パーフュージョンに関する他のモダリティとの相関を調べる臨床研究が,近々スタートする予定となっている。これらのアプリケーションはいずれも日本国内薬事未承認。
|