─製品の特長を教えてください。
齋藤氏:この製品は,電子カルテシステムとしてNECのMegaOakHRまたはシーエスアイのMI・RA・Isシリーズ,エスイーシーが提供する地域医療連携ネットワークサービスのID-Link,診療情報公開用サーバで構成されています。個々の医療機関が管理するデータを,サービスセンターでリンケージすることによって,連携するグループ(Union)内において,1つのIDで複数の医療機関に分散している1人の患者さんの診療情報を,1画面上に時系列に表示できます。開発に当たっては,もともと連携が行われていた地域のニーズを取り入れながら進めており,低コストで導入できるようにしたことも大きな特長です。
また,ある中核病院を中心とした地域連携のグループがほかのグループと連携する場合,中核病院間を直接ネットワークで結ぶのは困難なことがあり,さらに別グループと連携を広げていくという拡張性にもいろいろな課題がありました。しかし,電子カルテ/地域連携ソリューションでは,サービスセンターを介することで,例えば都道府県や診療圏をまたがるようなケース,複数の地域連携グループ間での情報共有も,同一のIDを用いて行うことが可能です。このように地域連携の範囲を拡大することにも,柔軟に対応できるようになっています。
─現在,どのような地域で導入されていますか。
齋藤氏:北海道・道南地域の市立函館病院や高橋病院ほか4施設,佐賀県の白石共立病院や佐賀大学医学部附属病院など中核6病院,名古屋市の大同病院などがあります。佐賀県の事例では,HL7で他社の電子カルテシステムとも接続しています。このように標準化に対応しているため,他社のシステムとも容易に連携できることも電子カルテ/地域連携ソリューションの特長の1つです。 |