一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は2013年1月9日(水),KKRホテル東京(東京都千代田区)において,恒例の「年頭所感発表会」を開催した。この発表会において,小松研一会長から,2013年の医療産業に関する動向やJIRAが取り組むべき課題,そしてそれに基づく活動基本方針が発表された。
小松会長は,まず,2013年の医療関連産業における特筆すべき項目として,医療機器の特徴を盛り込んだ薬事法改正,2014年度の診療報酬改定に向けた準備活動,DITTA(国際画像診断・医療 IT・放射線治療産業連合会)を通した世界各国の規制当局への対応,医療関連産業のグローバル化,ICT化の拡大,低侵襲治療・診断技術のいっそうの発展,という5項目を挙げた。その上で薬事法の改正については,医薬品と医療機器の別章立て,医療用アプリケーションソフトウエアの単独医療機器化が予定されているとして,これに関連する省令や基準づくりに対して積極的に提言を行っていくと述べた。また,2014年の診療報酬改定に向けては,「安全保証」「精度保証」「運用保証」の3つの論点から提言していくと説明した。
小松会長は,これからの取り組みを進めていくにあたって,2013年の活動基本方針として,次の5項目を掲げた。
(1)新産業創出のための環境整備
(2)国際化の推進
(3)産業成長のための積極的な施策提言活動の推進
(4)中小・IT企業会員を主体とした企業振興活動の充実
(5)JIRA基盤活動の充実と事業拡大に向けた活動強化
(1)の新産業創出のための環境整備については,放射線治療や再生医療,在宅医療における新産業創出のための,標準化やガイドラインづくりを行政や各種団体と協調して行っていくこととしている。
(2)の国際化の推進に関しては,2012年に欧米2団体とともに法人として設立したDITTAの活動を通じて,国際的な産業団体活動を推進していくとともに,海外展開をめざす会員企業の支援を行っていく。
(3)の産業成長のための積極的な施策提言活動の推進では,薬事法改正に伴う省令や基準づくりのための付帯活動に積極的にかかわりJIRAの意見を反映していくほか,診療報酬改定に向けて提言していくこととしている。
(4)の中小・IT企業会員を主体とした企業振興活動の充実については,講習会や勉強会,見学会,シンポジウムなどを行い,情報の共有化を図る予定である。
(5)のJIRA基盤活動の充実と事業拡大に向けた活動強化に関しては,一般社団法人としての新規事業を検討していく。
小松会長はこれらを説明した上で,「JIRAは日本の代表的な医療機器産業団体の1つとして,重点事業活動を推進し,画像医療システム関連産業を強力に牽引していく」との決意を表明した。
なお,年頭所感の後には,厚生労働省や経済産業省,日本医学放射線学会など,関係省庁・学会からの来賓を招き,新年会が盛大に行われた。 |