GEヘルスケア・ジャパン(株)は2012年3月30日(金),赤坂パークビルにおいて報道関係者向けに「healthymagination EXPO 2012」を行った。同社の今後の成長戦略について発表があったほか,4月13日からJRC 2012の中で開催される「2012 国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2012)」で披露される新製品も紹介された。
当日は,同社代表取締役社長兼CEOの川上 潤氏がまず創立30周年を迎えた同社の成長戦略について説明した。川上氏は,東日本大震災の影響などから低迷していた日本の医療市場が回復基調にあるとし,さらに今春の診療報酬改定や今後進められる復興プロジェクトといった成長のための好材料があると述べた。さらに川上氏は,こうした状況を踏まえ,同社は今後,「Silver to Gold戦略」「日本から世界へ」「Japan Quality」「持続可能な医療システム」をキーワードに,超高齢社会における医療のあり方を変え,これを日本モデルとして世界に発信していく姿勢を示した。そして,従来の医療機器メーカーから,ソリューションの提供などを通じて,ヘルスケアカンパニーへと成長していくと力強く語った。
川上氏は引き続き,新製品の発表を行った。初めに紹介されたのは,70cmのワイドボアを持つMRIの最上位機種「Discovery MR750w」。「Caring Design」と呼ばれるコンセプトで設計され,被検者にやさしい検査を実現する。肝臓の脂肪含有率マッピング機能「IDEAL-IQ」などの最新アプリケーションを搭載している。一方,CTでは同社が進めるIJFG(In Japan For Global:日本から世界へ)製品である64列の「Optima CT660 FD」と16列の「Brivo CT385」が紹介された。Optima CT660 FDは「Optima CT660」の後継機種で,高画質化,高速化,被検者負担軽減をめざしたモデル。Brivo CT385は世界最小の設置面積とシングルCT並みの省電源設計,容易なポジショニングを特長としている。
次いで川上社長は血管撮影装置「InnovaIGS540」を説明した。InnovaIGSは40cm×40cmのFPDを搭載した頭腹部向け540のほか,30cm×30cmパネルの全身用530,20cm×20cmの循環器用520の3製品をラインナップ。「EP Vision」や「FlightPlan for Liver」など,手技を支援するアプリケーションを強化し,被ばく量や造影剤量の低減をめざしている。FPD関連では,国内初のUltra Wide Band通信ができる「FlashPad」を搭載した回診車「SuperBee XR220 digital」など「SuperBee」シリーズも紹介された。XR220 digitalのほか,アナログ装置「SuperBee XR200 digital ready」「SuperBee XR285 analog」の2機種がある。川上社長は,このほか同社が昨年サービスを開始したデータホスティングサービス「医知の蔵」についても,深谷赤十字病院でのパイロット運用を終え,本格運用をスタートしたと述べた。地域連携や災害時対応など医療クラウドのニーズが高まる中,積極的に展開していくとしており,年内にさらに複数の施設での運用を見込んでいる。
会場内には,SuperBee XR220 digitalのほか,超音波診断装置の「Vscan」,解析機能付心電計「MAC600」も展示。さらにモニタによる各モダリティのアプリケーション紹介も設けられた。
東日本大震災の被災地でも活用された
Vscan |
在宅医療現場での利用が期待される
MAC600 |
|