富士フイルム(株)は2011年6月16日(木),スマートフォンを活用した遠隔画像診断治療補助システム「i-Stroke」を発表した。このシステムは,急性期の脳卒中医療において,アップル社のiPhoneなどのスマートフォンを用いて,遠隔地にいる医師が診断や治療のサポートを行うもの。同社のPACS「SYNAPSE」とシームレスに連携し,t-PA療法など,一刻を争う脳卒中医療での早期診断,治療に役立つ。
同日には,本社(東京都港区)において記者発表会を開き,共同開発を行った東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座教授の村山雄一氏,同講座助教の高尾洋之氏,同社取締役執行役員ヘルスケア事業統括本部メディカルシステム事業部長の玉井光一氏,同ITソリューション部担当部長の中村博明氏,富士フイルムメディカル(株)代表取締役社長の平井治郎氏が出席した。
玉井氏は,記者発表の中で同社におけるヘルスケア事業の位置づけを示した上で,i-Strokeによって時間や場所にとらわれることなく医療連携ができるようになると述べた。続いて講演した村山氏は,脳卒中医療では早期診断,治療が重要であり,緊急呼び出しを行うStroke Call機能や意見交換と情報共有ができるTweet機能,手術映像を配信するストリーミング機能などが,実際に役立っていると述べた。
また,記者発表会後には,会場にiPhoneが配布され,実際に報道関係者が操作を体験できるようにした。そのデモンストレーションでは,スピーディな3D画像展開やストリーミングでの映像配信がPRされた。
村山氏は,i-Storkeの今後について,他施設との連携などをして広域な脳卒中医療ネットワークを築いていけるようにしたいと述べたほか,海外でも同システムが広がってほしいと,普及に期待を示した。 |