(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは2010年11月24日(水),MRI装置の国内への導入から25年,納入台数が1000台を達成したことを機に,同本社においてメディアブリーフィングを開催した。1000台目のMRI装置「Achieva 3.0T TX」が砂川市立病院(北海道砂川市)に納入され,10月30日に稼働を開始した。11月18日に1000台納入を記念して,同院にて記念式典が開催された。
メディアブリーフィングの冒頭,同社代表取締役社長のダニー・リスバーグ氏は,「ついに1000台目納入という大きな節目を迎えたことを大変うれしく思うとともに,これからも2000台の達成に向け,MRIにおけるリーダーシップをとり続けていきたい」と挨拶。続いて,マーケティング本部MRビジネスマネジャーの瑙英知氏が,日本における同社MRIの歴史と現状,今後の展開について述べた。
1986年に,国内第1号機として「Gyroscan S5 0.5T」が名古屋市立大学病院に納入されて以降,同社MRIは順調に国内での稼働台数を伸ばしてきた。同社MRIのシェアは,コンパクト磁石搭載の1.5T装置や高速撮像技術“SENSE”などの登場により2000年頃から急速に拡大。また,3.0T装置については,画期的なRF送信技術“MultiTransmit”の登場が普及を促進し,2009年度には累積納入台数が国内トップとなったほか,2010年4月には納入台数100台を突破した。こうした状況の背景として,瑙氏は,長期にわたって使用することを前提とした優れた設計思想と,充実したサポート体制について説明。実際に,15年以上にわたり,フィリップスMRIを継続して使い続けているユーザーは55施設に上ると述べた。
さらに瑙氏は,同社MRIの開発の方向性として,従来のMRI技術を根本から変える画期的なRFコイルに関するデジタル技術の開発に言及。2010年11月28日からシカゴ(米国)にて開催される北米放射線学会(RSNA2010)において,“Digital Broadband”技術を搭載した新製品を発表すると述べた。 |