CT搭載車やMRI搭載車による医療モバイルサービスを提供する(株)フリールは8月24日(火),日本初の「Ai専用最新鋭16列CT装置搭載車」を開発し,これを用いた撮影サービスを開始すると発表した(詳細はこちら)。東京プリンスホテル(東京都港区)で開催された記者発表会には,同社の平川雅之代表取締役のほか,一般財団法人Ai情報センター代表理事の山本正二氏が出席。Aiの画像診断について業務提携をすることも併せて発表された。
この撮影サービスでは,行政や医療機関,遺族から依頼を受けると,現場到着から60分程度で撮影を行う。24時間365日の対応が可能だという。行政や自治体向けの年間業務委託料金は,365日稼働で,9時から17時までの場合は年間5200万円。24時間対応の場合8300万円としている。また,遺族からの個別の検査依頼は基本撮影料金が10万円(全身)で,ほかに画像出力料金,運搬入諸経費,画像加工料金などが発生する。
Ai専用最新鋭16列CT装置搭載車は,「病院のCT室をそのまま車両に搭載する」というコンセプトで開発。(株)日立メディコの16列マルチスライスCT「ECLOS」を採用した。車体は全長9.2m,全幅2.5m,全高3.8mとなっている。さらにAiのための設計として,後部にパワーゲイトを設け,ストレッチャーのまま遺体をCT室に運ぶことが可能である。このほか,車内にはドライイメージャも搭載されている。
一方,Ai情報センターが行う画像診断は,Ai専用最新鋭16列CT装置搭載車で撮影された画像をFOMA回線で同センターに送信するなどして行われる。読影料金は1件3万円を予定している。
記者発表会では,平川氏がまず,フリールの企業活動について説明した上で,欧米に比べ普及していないわが国のAiについて,専用装置の不足や読影医不足,高額な検査費などの問題を指摘。Ai専用最新鋭16列CT装置搭載車を用いた撮影サービスにより,行政にとっては機動性とスピードに優れたAiが可能になり,医療機関にとっては専用機として利用できるようになり,遺族にとっては撮影を依頼しやすくなるとメリットを説明した。
また,山本氏は,読影医の立場からAiについて説明。Ai情報センターが読影を行うことで,読影医不足を補える上に,医療機関や遺族ではない,第三者の立場で診断できる点が有用だと述べた。
当日はホテル敷地内に実車を用意し,その内部が公開された。同社では今年度中にAi専用車を3台に増やしたいとしている。 |